空気予報 空気の未来を考えよう
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換気と調湿で“空気質”向上!
子どもが安心できる生活のためにできること編

2016.03.03

(文/山田真弓)

パナホームの24時間換気における工夫

パナホームの場合、この24時間の計画換気システムにも工夫がある。「計画換気は窓を開けない締め切った室内の空気を、2時間で家の容積分入れ替えるという想定です。外気と室内の温度差が大きい時期は、建物気密が0ではないため、ある程度、自然に空気が入れ替わるんです。その場合、機械で換気する量を減らします。すると、入れ替わる空気量を一定に維持できます」(増田氏)。

つまり温度差がないときには、1時間に0.5回分入れ替えないと空気が変わらないのだが、暖房時はファンを回さなくても約0.2回分は空気が入れ替わるため、ファンの動力を0.3回分に減らし、入れ替える量が過多にならないようにするという。「冬季においては、入れ替える量が多ければ、暖房負荷が増えますし、寒さの原因にもなります」と山田氏はいう。

空気の入れ替えに、床下の地熱を利用していることも空調負荷を減らすポイントになっている。「床下の空気の温度は地熱により年間を通じて温度変化が少ないため外気より夏は温度が低く、冬は温度が高くなるので、換気による熱ロスが少なくて済むのです」(山田氏)

もちろん、家の中に空気を取り込むときにはPM2.5を極力減らした状態にしておくことが重要で、そのためにパナホームでは高性能なHEPAフィルターを採用している。

「エコナビ搭載換気システム HEPA+」では、パナソニック製の9mもある二重ガラス繊維構造のHEPAフィルターを採用しており、これにより0.3μmの微粒子を99.97%以上捉えられるのだという。こうした取り組みに加えて、パナホームではシックハウスの原因になる屋内で発生するVOC(揮発性有機化合物)の抑制を強化し、住宅室内の空気質に関する国際的な認証「住宅向けグリーンガード認証」を全ての戸建住宅で取得し、2016年4月に新商品「NEW(ニュー)『CASART(カサート)』」を発売するに至っている。

パナホームのエコナビ搭載換気システムでは、床下に取り込んだ外気はHEPAフィルターで有害物質が除去され、各部屋に送られる

二重ガラス繊維構造のHEPAフィルター。パナソニックの空気清浄機にも使われているもの

健康に良い湿度のために稚内珪藻土を利用

もちろん、空気質には湿度も関係してくる。「健康上に良いとされているのは湿度を40〜70%の範囲内に収めること。弊社ではそれを空調機器だけでなく、下地材となる石膏ボードに北海道の稚内珪藻土を20%配合することで、コントロールするようにしています」と中川室長。

珪藻土の原石。軽量で、大量の湿気を吸放湿する

珪藻土は、海中の植物性プランクトン(珪藻類)が何百万年もの歳月をかけて堆積・化石化した鉱物の一種。非常に小さい孔が無数に空いているため比表面積が大きく、大量の湿気を吸放湿して、優れた調湿性能を発揮する。そこでパナホームでは全国の珪藻土を綿密に調査し、特に性能に優れた稚内珪藻土を20%採用(80%は石膏)した「調湿石膏ボード」を使用している。「調湿石膏ボードの上に使うクロスも、湿気の出し入れができるクロスにしています。これにより室内の湿度コントロールがある程度可能になります」(中川室長)。

室間温度差を減らしてヒートショックを和らげ、換気システムや建材により空気質をアップし、結果、環境にも貢献する。こうしたパナホームの取り組みは、健康増進を大いにバックアップしてくれそうだ。