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意外と知らないエアコンの秘密③「霜取り運転中」も温風を止めない「エネチャージ」の進化でより快適かつエコな空気をつくる

意外と知らないエアコンの秘密③
「霜取り運転中」も温風を止めない「エネチャージ」の進化で より快適かつエコな空気をつくる

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2016.11.29

(文/本間 幹)

「暖房中に運転がよく止まる」「運転開始時の立ち上がりが遅い」等々ーー。これまでエアコン暖房の宿命とされてきたこれらの課題を解決するべく、パナソニックの独自技術である「エネチャージ」システムが進化した。この秋登場した同社のエアコン「エオリアWX/Xシリーズ」に搭載されたこのテクノロジーについて、開発者に話を聞く。

暖房中、頻繁にエアコンが止まるのは霜のせい?

 冬場、エアコンをつけている際、気がつくと運転が止まっていて、寒い思いをした覚えがないだろうか? 中にはあまりにも頻繁に止まるため「故障したのではないか?」と慌てた人がいるかもれない。

 しかし、これはエアコンの宿命とも言うべき動作で、もちろん故障などではないという。

「暖房中にエアコンが止まるのは、多くの場合、霜取り運転を行っているだけなのです」と説明するのは、パナソニック株式会社 エアコン事業部 RAC開発部の足達健介氏。霜取り運転中でも温風を止めない同社の独自技術「エネチャージ」システムの技術担当者である。

パナソニック株式会社 アプライアンス社
エアコンカンパニー エアコン事業部 RAC開発部
足達健介氏

 さて、霜取り運転とは「室外機の熱交換器についた霜をとかす」エアコンの動作のことだ。

 エアコンの暖房は室外機で取り込んだ熱を使って室内を暖める仕組みである。それゆえ、暖房中は室内機側の熱交換器が高温になる分、室外機側の熱交換器は低温になり、そこに霜がつきやすくなる。そのため、室外機に霜がつくのは、寒冷地に限ったことでなく、日本中どこでも起こり得るという。この霜をそのままにしておくと暖房効率が低下するので、霜を取る必要がある訳だ。

 では、霜取り運転中に暖房が止まるのはなぜなのだろうか?

「一般的なエアコンでは冷媒を逆流させることで、室内機側の熱を室外機に伝えて霜をとかすため、その間はどうしても室内機側の暖房は停止してしまいます」(足達氏)ということだ。

 この方式で霜取りにかかる時間は一般的に10分前後。環境によっては1時間に1度、霜取りに入ることも珍しいことではなく、その都度室内温度は、環境によっては5~6℃も下がってしまうのである。

 そして、以上のようなエアコンの弱点を克服する技術が、2011年モデルからパナソニックのエアコンに搭載されている「エネチャージ」システムだ。

霜取り時の暖房運転停止という
エアコン暖房の泣き所をなくす

エアコン運転稼働中、コンプレッサーは熱を発しています。エネチャージシステムは、それまで自然に放熱していたこの熱を室外機内部に設けた蓄熱槽に蓄える仕組みです。蓄えた熱を暖房に有効活用することで、室内の暖房を止めずに霜取り運転を行うことが可能なのです」と足達氏はその仕組みについて説明する。

 さらにこのテクノロジーは「霜取り運転時の室温低下」と並び、エアコン暖房の弱点だとされてきた「運転開始時の立ち上がりの遅さ」の改善にも一役買っている。コンプレッサーを蓄熱槽で保温しているような状態となるため、暖房運転の立ち上がりが早くなるのだ。例えば、運転を止めて一晩たった翌朝であれば、エアコンのスイッチを入れてすぐに暖かい風を送ることができるというのだ。

 また、これまではただ放出していた熱を有効活用しているため、快適性だけでなく、省エネ性や経済性という点でもメリットが大きいことは言うまでもないだろう。

 なお、エネチャージシステムは、同社の寒冷地向けエアコンにも採用。エアコンによる極寒の地での十分な暖房を可能にした技術の1つなのである。