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60年でこれだけ進化!エアコンの歴史に迫る

60年!エアコンの進化
60年でこれだけ進化!エアコンの歴史に迫る

2016.09.27

(文/安蔵靖志)

いよいよ「エアコン」が登場! 「樹氷」から「楽園」へ

3つめに紹介するのが「楽園」ブランド1号機の「CS-220AK」(セパレート冷暖房両用型、1974年製造)だ。前出の「主要耐久財の普及率の推移」によると、73年にルームクーラー(当時はそう呼ばれていた)の普及率が10%を超えたところで、いよいよ普及が本格化するという時期だった。

「楽園」ブランド1号機の「CS-220AK」(セパレート冷暖房両用型、1974年製造)

「このモデルの大きな変化ポイントは、業界に先駆けて暖房を搭載したことです。暖房の温風は下まで到達しにくいことから、初速の角度が重要なため、暖房の利用を意識して吹き出し口を下向きにするようになりました。当時は(エアコンの心臓部である『ヒートポンプ』の)暖房能力が低いため、ヒーターも入っていました」(安田氏)

デザイン面で印象的なのが「木目調」だ。テレビも「家具調テレビ」と呼ばれて、木目調……というよりもキャビネットに木がふんだんに使われており、扉が付いたモデルも多かった(テレビを見ないときは扉を閉めるのだ)。デザインの変遷にも、そういった流行の変遷が見受けられるのが興味深い。

イタリアの島をイメージした「Eolia(エオリア)」が登場

歴史的なエアコンとして最後に紹介するのが、1988年に登場した「Eolia(エオリア)」ブランドの1号機「CS-227G」だ。インバータータイプで、業界トップの低消費電力設計だという。

「Eolia(エオリア)」ブランドの1号機「CS-227G」(1988年製造)

目を見張るのがその薄さだろう。

「熱交換器の性能がアップし、同じ能力でも薄型化が可能になりました。ここから熱交換器を大きく変えて、内部の配管が細くなっています。ここからはだいぶ現代に近付いていますね。中のルーバーは手動ですが、フラップが自動になっています」(安田氏)

「楽園」1号機(写真奥)と「Eolia」1号機(写真手前)の厚さの違いがよく分かるだろう

最新モデルで「Eolia」ブランドが復活

80年代後半から90年代まで続いたEoliaブランドだが、その後のパナソニックエアコンはブランド名が付かない時代が続いた。最後にEoliaブランドが復活した最新の「2017年モデル」を紹介しよう。

パナソニックが2016年10月下旬から順次発売する「Eolia WX/Xシリーズ」

1988年モデルの「Eolia」はかなり薄型だったが、最新モデルでは大きくせり出したデザインになっている。ホワイト1色で丸みを帯びているためにそれほど圧迫感はないが、デザイン面ではまた大きく変わってきたのが一目で分かる。デザインとしてはスッキリした薄型の方が魅力的にも思えるが、ここまでせり出すようになったのはひとえに「省エネ性能」の向上のためだ。

「現在のモデルは、とにかく熱交換器をめいっぱい搭載しており、電気代という意味では全く昔のモデルとは違います。また、半間(はんげん)幅でも設置できるよう限られたスペースの中で性能を上げなければならないため、前に出てくるようになったんですね。新商品は、(以前のEoliaに比べて)大幅に省エネになっています」(安田氏)

約60年の間に、エアコンの形やスタイルは大きく変わってきているのがよく分かった。しかし変わったのはそれだけではない。次回は、エアコンの省エネ性能の変遷や操作性の変化などについて紹介していきたい。

>>操作性・省エネ編はこちら