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エアコンの連続運転vs間欠運転 暖房費はどちらが大きい? 電気料金編

エアコンの連続運転vs間欠運転
暖房費はどちらが大きい? 電気料金編

2016.12.26

(文/松尾 和也=建築家)

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深夜電力の価格を案分

連続運転と間欠運転の比較では、熱量の対比に加え、もうひとつポイントがある。最近の高性能住宅は自然冷媒ヒートポンプ給湯機(エコキュート)を設置しているケースが少なくない。その家庭では深夜電力が昼間の3分の1程度の価格になるような電気契約がなされている。そこで、「間欠運転」と「連続運転」におけるエアコンの稼働時間のうち、深夜電力の時間帯比率を読み取ってみた。結果は、下の表の通りだ。

エアコンの稼働時間が深夜となる比率は、case1「間欠運転」よりcase2「連続運転」の方が大きく、電気料金の面では有利になる (資料:松尾和也)

これらの比率から案分して暖房費用の差額を計算すると、約1.16倍は約1.09倍まで差が縮まる。もちろん地域や建物の大きさ、設定温度などによって実際の差額は大きく異なる。しかし、暖房費が月5000円なら500円程度の差、月1万円なら1000円程度の差、2万円でも2000円程度の差でしかない。

しかも、「連続運転」は室温が家中どこでも常に20℃を上回る。不快時間の比率は0%と言ってもいいだろう。逆に、「間欠運転」は20℃を下回る時間は1日平均6時間(不快時間比率25%)もある。

それだけではない。24時間連続運転している住宅では部屋間の温度差が非常に小さくなる。非常に寒いイメージがある洗面脱衣室やトイレなど、ヒートショックのリスクが高い空間も健康で快適にすごしやすくなるのである。

また、室温が低い部屋は相対湿度が高くなりやすいので、結露やカビ、ダニが発生しやすくなる。

ここで言う、「湿っている」というのは相対湿度の話でしかない。室温が下がると空気中に含むことができる水分量は激減してしまう。この結果、喉の中にある繊毛細胞という粘膜が乾きやすくなる。その影響で、風邪やインフルエンザに感染しやすくなる。家族の1人が風邪やインフルエンザに1回感染すれば、その金銭的対価は2000円程度では済まないだろう。

このように、カビ、ダニ、寒さへの我慢、病気など、全てにおいて差が生じてくる。これらを冷静に考えれば、高性能住宅であれば、エアコンをこまめに消すことが必ずしも良いとは限らず、それどころか連続運転するほうが望ましいということが理解できるだろう。

POINT
・間欠運転と連続運転を比較すると、高性能住宅では暖房に必要な熱量の差はわずか
・連続運転なら家中が常に20℃を上回る。間欠運転では1日のうち6時間も20℃を下回る
・高性能住宅においては、カビ、ダニ、寒さへの我慢などを考えると24時間連続運転が望ましい

(日経ホームビルダー2016年2月号より再構成)