空気予報 気になる空気トレンド最前線
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ボールはなぜ落ちたり、曲がったりするのか ボールと空気の関係 ボールの仕組みと理論編

ボールはなぜ落ちたり、曲がったりするのか
ボールと空気の関係 ボールの仕組みと理論編

2017.03.29

(文/宮坂太郎 写真/福田栄美子)

Jリーグも開幕し、春の季節とともにスポーツがさらに注目される時期が到来。今回は、ボールメーカーとして知られるモルテンに、ボールが曲がったり落ちたりする理由、空気との関係について伺った。

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モルテンは、1958年、ゴム製品製造業として設立され、翌年からボールと自動車部品の製造を開始。現在はマットレスやベッドなどの医療・福祉機器、桟橋やフロート、橋梁を支えるゴムなどの製造も行っている。

お話をお伺いしたのは、ボールの開発を担う、株式会社モルテン スポーツ事業本部 技術開発・生産統括本部の一橋(ひとつばし)明宏氏だ。

まずはボールの構造について教えてください。

一橋明宏氏(以下:一橋氏):一般的なボールは、表皮となるパネルの内側にゴムチューブが入っています。表面のパネルを繋ぎ合わせる方法は、主に3つあります。「貼りボール」「縫いボール」、そしてモルテン独自の「アセンテック構造(熱接合技術)」となります。

バレーボールの出来上がるまで。一番左のゴムチューブに、次に糸を巻き、ゴムシートで覆い、パネルを貼って完成。このバレーボールは「貼りボール」に相当する。

一橋氏:「貼りボール」は球体のゴムチューブに補強を施してパネルを圧着したもの。「縫いボール」はパネルを糸で縫い合わせて、中に球体のゴムチューブを入れたもの。アセンテックは補強したゴムチューブの表面とさらにパネル同士を熱で接合したものとなります。

ボールの表面には凹凸(おうとつ)がありますが、これには2つ理由があります。一つは手への馴染みやすさです。ツルツルのボールは、つかむ、キャッチがしにくいですよね。そしてもう一つは、ボールの安定性が変わってきます。

ボールの表面がデコボコしていた方が安定するのでしょうか?
表面がツルツルしていた方が安定しそうな気もしますが。

一橋氏:わかりやすいのは、ゴルフボールです。ゴルフボールはディンプルと呼ばれる凹凸がありますよね。ボールは空気を切り裂きながら空中を飛んでいきます。表面がツルツルしていると、空気がボールから早く離れてしまい、ボールの後ろで渦を発生させます。この渦はボールを後ろに引っ張る力があり、それが弾道を不安定にさせるのです。逆に表面がデコボコしていると、空気がボールの表面に長く留まってくれて弾道が安定しやすくなります。

左の画像が従来の表面が比較的ツルツルしたボール。空気がボールの中心線を越えたところから離れはじめ、渦が発生し弾道が不安定になりやすい(上下に流れる空気の間に渦が発生する)。対して、右のボールは表面に凸凹の加工がされており、空気がボールの表面をつかんでくれる、留まることで、弾道が安定しやすくなる。(画像:モルテン提供)