空気予報 空気の未来を考えよう
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においが気になる時代
男性が気になる最近のスメハラ事情

2016.10.18

(文/安蔵靖志)

「スメハラ」という言葉をご存じだろうか。スメルハラスメント(和製英語)の略で、汗などのにおいで周囲に迷惑をかけることを指す。セクハラやパワハラといった言葉はかなり前からあるが、アルハラ(お酒を強要する「アルコールハラスメント」)などと同様に最近話題になっている。

スメハラで問題になりやすいのは、やはり女性よりも男性だろう。おそらく、女性の方が身だしなみやにおいケアなどをしっかりしている人は多いだろうし、そもそも汗をかく量も異なる。大阪国際大学と神戸大学の共同研究によると、同じ運動をしても女性より男性の方が発汗量が多いという結果が出たとのことだ。女性ももちろんだが、男性こそより「においケア」をしなければならないということだろう。

では、どうにおいケアをすればいいのだろうか。そもそも、においの原因はどこにあるのだろうか。「男の体臭を科学する 男のにおい総研」を運営し、企業向けに「においケアセミナー」を実施するマンダム 商品PR室 主任の奥啓輔氏に話を聞いた。

マンダムが運営する「男の体臭を科学する 男のにおい総研

においケアが重要になった3つの要因

スメハラという言葉が登場した背景として、奥氏は「2010年から11年にかけての節電意識の高まりと、喫煙者が減って『体臭』がイヤなにおいの代表になったこと、女性の社会進出という3つがあります」と語る。

マンダム 商品PR室 主任の奥啓輔氏

「2011年東日本大震災後に節電意識が高まり、夏のオフィス内が暑くなった影響でにおいも気にされるようになりました。その前年の2010年は猛暑だったこともあり、その頃から節電というキーワードが出だしていました。2つめの要素は非喫煙者の増加です。昔は一番イヤなにおいがタバコだったのですが、タバコ自体が社会の中から減り、結果として体臭がイヤなにおいの代表になったのです。3つめは女性の社会進出です。一般的に女性の方が嗅覚が鋭いと言われていますし、女性が増えたことで男性も敏感になるというか、意識が高まってきているのだと思います」

現在、マンダムは2014年から企業向けに「においケアセミナー」を実施しているが、そもそものきっかけは同社が30〜40代の中年男性が発する「ミドル脂臭」と呼ばれる不快なにおいの原因成分を「ジアセチル」であると突き止めたことだった。

「においケアセミナー」のWebサイト

テレビなどのメディアでマンダムが体臭の研究をしているとアピールすると、多くの企業の総務部や人事部などから「においで迷惑をかけている社員がいて困っている」という相談が同社に届いたのだと奥氏は語る。

「においはデリケートな問題なので、呼び出して『きみ、臭いよ』と指摘もできません。第三者のの立場から、対象者1人だけではなくて部署を集めてセミナーをすることで、個人を傷つけることなく集団で学ぶスタイルで指導させていただくようになったのが始まりです」(奥氏)

マンダムが2014年5月に実施した調査によると、「職場の同僚や周囲の人の身だしなみで どうにかしてほしいこと」として1位が「におい(体臭)」、2位が「におい(口臭)」、3位の「フケ」、4位の「清潔感のない髪」、5位の「清潔感のない服装」に続いて6位にも「におい(香水・化粧品)」がランクインするという結果になった。

マンダムが2014年5月に実施した「職場の同僚や周囲の人の身だしなみで どうにかしてほしいこと」の調査結果

「においは記憶と結びつきやすいと言われていて、もし臭い人がいたら、ずっと忘れません。会うと『ああ、この人は臭い人だ』と思い出します。そういう意味ではにおいが一番問題なのです」(奥氏)