空気予報 空気の未来を考えよう
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においが気になる時代
男性が気になる最近のスメハラ事情

2016.10.18

(文/安蔵靖志)

においケアセミナーで「スメルマネジメント」の重要性を啓蒙

マンダムが実施するにおいケアセミナーでは、まずアンケート調査などの結果から社会的に「スメルマネジメント」の重要性が高まっていることを伝えることから始める。

「においに対する意識の高まりを皆さんに伝えて、『スメルマネジメントは大事なんだ』と、聞く耳を持ってもらうことからスタートします」(奥氏)

続いて体臭がどのような経緯で発生するのか、そのメカニズムについて解説する。

「体臭発生の仕組みを理解しないと、効果的なケアができない場合があります。誤解されやすいのですが、イヤなにおいは毛穴からいきなり発生するわけではありません。汗や皮脂そのものは実際にはにおわないのですが、皮膚上で細菌の代謝によってにおいが発生するのです。そもそもこれを理解できていないと、殺菌効果がある製品が有効だということも分からないので、効果的なケアができません。汗自体を抑える方法もありますし、制汗デオドラントのような製品もあります。皮脂を除去するボディーペーパーやボディーシャンプーなどもあります。まず体臭の仕組みを理解すると、効果的な方法が分かりますし、継続してケアしようという気にもなるのではないかと思います」(奥氏)

30代以上の男性が特に注目したいのは、続いて紹介する「加齢による体臭の変化」だ。加齢によって放つようになる、例えば「お父さんのまくらのにおい」。油が酸化したようなイヤなにおいが「加齢臭」だと理解している人も多いかもしれないが、実は違うのだという。そのにおいこそが、マンダムが研究でたどり着いた「ミドル脂臭」だというのだ。

「ミドル脂臭」こそが“オヤジ臭い”最大の原因

「それまでは、においの原因は『汗臭』と『加齢臭』だけだという理解でしたが、どうやら30代や40代って特殊なにおいがする。でも加齢臭ではない。いや、それも加齢臭なのかな……?という仮説から研究がスタートしました」(奥氏)

臭気判定士という国家資格を持った研究員が中心となって日本人男性の体臭を計測したところ、若い人は汗臭が中心であるものの、30代からは「ジアセチル」という物質が原因となる「ミドル脂臭」が増えることが判明した。40歳ぐらいからは「2-ノネナール」という物質が原因となる「加齢臭」が出始めるものの、30代半ばから50代半ばまでの体臭のメインはこのミドル脂臭なのだという。

30代半ばから50代半ばまでの体臭のメインはこのミドル脂臭だという

「実は加齢臭が本格化するのは50代以降なんです。しかも、そもそも出る場所も仕組みも違います。ミドル脂臭や汗臭は汗や皮脂を細菌が代謝して、おならとして出すような仕組みです。加齢臭は胸や背中の皮脂が酸化することによって出るもので、汗臭やミドル脂臭と違って細菌を介しません」(奥氏)

加齢臭は「枯れ草のようなにおい」とか「押し入れのようなにおい」とか、ズバリ「おじいちゃんのにおい」などと言われるようなにおいで、実は「比較的許せる」のだという。

「企業向けセミナーで実際にかいでもらうと、特に女性は『そんなにイヤじゃない』とか、『逆にちょっと落ち着く』といった意見も出ます」(奥氏)

汗腺から出る汗や皮脂腺から出る皮脂が皮膚の表面で常在菌によって代謝されることで発生する「汗臭」や「皮脂臭」が、中年男性のにおいケアにとっての最大の敵ということのようだ。

夏が最大のシーズンだが、秋冬なども注意

体臭をケアしなければならないシーズンは、やはり汗をかきやすい夏が中心だが、秋冬なども含めて年間を通してケアする人は増えているという。

「オフィスや地下鉄車内などで、暖房が効きすぎて『じわ汗』が出てくることがあります。冬はコートを着込むことが多く、ワキ汗などが出てしまうため、秋冬は脇のケア商品がすごく売れますね。女性が中心ですが、男性も秋から冬にかけてデオドラント市場が大きくなっています。また、秋冬はブーツをはく人が多いので、足のにおいをケアする商品も売れています」(奥氏)

においケアに対する考え方として、奥氏は次のように話す。

「『自分は出ていない』という発想は避けていただきたいと思います。体臭は誰しもが持っているものですし、ケアすれば誰しもが改善できるものです。太っているから汗が出やすいということもありません。やせている人でも汗も皮脂も出ますから、誰もが体臭の原因を持っていのです。そのため、誰でもにおいケアが必要だということが、徐々に世の中に広がっていけばいいなと思いながら取り組んでいます」

では、具体的にはどのような形でにおいケアを進めていけばいいのだろうか。そのあたりについては後編で紹介していきたい。

>>体臭のメカニズム編はこちら