空気予報 空気の未来を考えよう
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天気を読み、職場の空気も読む
天気との付き合い方編

2016.12.02

(文/佐藤俊郎)

空気を感じると、本来の人間性を取り戻せる

「今日はいい天気ですね」「小春日和という感じですか」「随分と日が短くなりました」 普段のちょっとした挨拶で、つい天気のことを持ち出したりしていないだろうか? 性別、年齢、暮らしている場所、仕事、それに趣味趣向が違っていても、天気のことだけは共通話題だ。会ってすぐさまや、何か話題に困ったときに「天気の話をする」というのが、世間一般の常套手段になっている。

朝起きて、まずスマホでお天気を調べるという人も少なくない

なにしろ朝起きてテレビをつけると、ニュース番組や情報番組では実に小まめに天気予報を伝えている。朝ご飯や出掛ける支度でどんなに慌ただしくしていても、つい手を止めて、今日の天気をチェックしたりする。「暖かい日となるでしょう」とお天気お姉さんがにこやかに言うのなら「薄手のコートでいいか」となるし、「午後からは雨が降るでしょう」と来るなら「傘を持って出ないと」と思う。多くの人にとって、天気はその日最大の関心事といえる。

ところが、気象予報士であり、人の健康を地域社会や職場、学校、家族といった環境から考察する健康社会学者である河合薫さんは、「その割に、現代人は天気を教えてくれる“空気を感じる”暮らし方をしていない」と警鐘を鳴らす。そういえば、流される情報のデータで、天気というものをとらえているようなところがあるかもしれない。「今日の気温は20度を超えます」という知らせに、20度という数値から「それでは暑くなりそうだな」と判断する。「湿度は90%です」となると100%に近いので「こりゃ、蒸し暑いな」と。カラダで感じるというより、どこかアタマで考えている。確かに、職場や家の空調は1年中「適温」で設定されており、外に出ることがなければいつも肌で感じる空気は変わらない。そんな環境の中で過ごしているわけだ。

健康社会学者/気象予報士
河合 薫さん
気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、博士課程を修了(Ph.D)。専門は産業ストレスやポジティブ心理学など。新著に『考える力を鍛える「穴あけ」勉強法: 難関資格・東大大学院も一発合格できた!』(草思社)。メルマガ「デキる男は尻がイイー河合薫の社会の窓」を展開中。

「でも、今の時代は自分の身は自分で守っていかないと、むやみにストレスや不安にさらされることになります。天気はアタマで考えている以上に、ココロやカラダに大きな影響を及ぼします。ある意味、今日一日の天気がわかることで、これから起こりうるリスクをあらかじめ知ることができ、そのリスクに対する備えや心構えができる。他人が言うことだけに頼らず、自分でしっかりと天気を読み、その日の空気を感じていくことが自分の身を守っていく上で必要なことです」。