空気予報 空気の未来を考えよう
空気予報 空気の未来を考えよう

空気を見える化したオブジェのはなし
空気の器編

2016.12.28

(文/佐藤俊郎)

空気を包み込むことで生まれた、自由に遊べる器

平面のシートに複雑な切り込みが入れられていて、つまみ上げるといとも簡単に器の形になる。

空気は見えないもの。だからこそ、「見てみたい」と思う衝動に駆られる。そんな空気を包んだり、空気の流れに動いたりと、視覚化して楽しめるグッズやオブジェが今人気を集めている。

静かにたたずみながら、周囲の空気をふわっと和らげ、優しくしてくれるのが「空気の器」。丸い紙を0.9mmの幅で細かく型抜きしたもので、手で広げるとたちまち器となる。すると、今まで見えなかった空気を包み込んでいるように、目の前で空気の存在感を示してくれる。といっても、強く主張するわけでもなく、邪魔になったり目障りだったりもない。でも、置いた瞬間に、和でも洋でも違和感がなく、その場所、その空間が明らかに今までと違った雰囲気になる。空気のような存在ながら、周辺の空気を変える不思議なチカラを持っている。

紙なので、背の高いつぼ風になったり、口の広いボウルになったりと自由に形を作れるし、一度作った形を意図も簡単に違う形に変えることができる。逆さにすれば富士山のようにも見え、帽子として被っても構わない。チカラを加えない限り崩れることなくいつまでもそのままをキープし、伸び縮みもするので引っ張っても破れにくい。建築的に安定して強いといわれるハニカム構造でできているだけに丈夫だ。それでいて、きちんと元の平面状態にも戻せるわけで、何とも自由自在で便利でもある。

伸縮自在で平皿、深皿のほか、ワインカバーにもなる。

しかも、インテリア雑貨として棚やテーブルに置いて鑑賞するのもいいし、コップや瓶を入れると切り花を生けるフラワーベースに、そのままでもちょっとした物入れやギフトの包装に使える。2重にしてワインカバーにも早変わり。それこそ平面状態ならコースターにもなるかも。「もともと、『何に使っていいかわからない、でも面白そう』で始まりました。しっかりと用途があることが当たり前の紙製品ではありえない。でも、そんな“余白”があったことが良かったのですね。買った人が自由に考えて楽しめるものとなりました」と空気の器を製造・販売する福永紙工の山田祥子さんは話す。

紙の器など、新しい紙のプロダクトの企画や販促を担当する山田祥子さん