vol.4 生態学者

田邊 優貴子Yukiko Tanabe

国立極地研究所 生物圏研究グループ 助教。子どもの頃にテレビで見た極北の地に憧れ、京都大学進学後は極地の生態学研究の道に。総合研究大学院大学に進み、2007年、第49次日本南極地域観測隊以降、7回の南極入りを果たす。09年、南極の湖底に潜り“ 森”があることを発見。生態系の起源の解明に大きく貢献。

「南極の長池という湖の底に植物が生えていることは予測していましたが、森のような光景が一面に広がっているとは、潜るまでわかりませんでした。興奮して、水中で叫んでしまいました(笑)」

水圏生態学者の田邊優貴子さんが、人類で初めて南極の幻想的な湖中世界を目にした瞬間を語る。

極地の生態系を明らかにし、地球環境の変化に生き物がどう適応し進化してきたのかを解明する―。そうテーマを定め、初めて南極に向かったのは2007年のこと。2度目となる2009年の調査で昭和基地から約55kmの場所にある湖「長池」に潜り、多様なコケや藻が尖塔状の塊となって、湖の底を覆っていることを発見した。

「コケボウズ」という愛嬌のある名前をつけられたその塊。50cm伸びるのに1000年ほどかかるそうだ。「大きいコケボウズは80cmほどあるので、1600歳くらいですね」と、人間の時間軸を超えたスケール感で田邊さんは語る。

その後も極地潜水を重ね、長池以外の湖にもコケボウズの森はあるが、湖ごとに植物相がまったく異なることがわかった。隣り合っている湖でも異なる。越冬隊として参加した第58次日本南極地域観測隊(2016~18年)では、最初にどんな生き物がその場所に入ってきてどう変遷したのか知るため、26カ所の湖で湖底の堆積物を採集。日本に戻った現在、その分析を進めている。

極地での活動は危険も多い。「ダイビング機材が外気に触れると、付着している水滴が瞬時に凍ります。そのために水中でレギュレーターや浮力調節機能が作動しなくなったこともあります」とも。それでも「南極に行くたびに、とても感動する」と明るい笑顔で話す。

「昭和基地に向かうヘリコプターから見下ろすと、果てしなく広がる氷河のなかに、茶色い岩盤がわずかに顔を出している。むき出しの、生まれたての地球の地面です。そこに降りると、まさに地球に立っているという思いが迫ってきて、涙が出そうになる」

意外なことに、田邊さんにとっての南極のイメージは、氷河がつくる白や青の世界ではなく、紫と青みがかったピンクの、グラデーションの世界だという。「白夜の夜に見られる空の色です。空気が澄んでいるので、青い光が吸収されず地上に届く。日が傾くと、辺り一面がオレンジではなくきれいな紫色に染まります」

▲1978年に誕生した世界初クオーツ式600m飽和潜水用ダイバーズウオッチの40周年を記念した限定モデル。「水中でもすぐに時間がわかる大きさもいいですね。街使いにもよさそう」と田邊さん。夕日に染まる幻想的な海をイメージした紫色のプロテクターは、高硬度セラミックス「サーメット」製で堅牢性も兼備。たくましくも軽やかに極地を歩く田邊さんによく似合う。

◀︎1978年に誕生した世界初クオーツ式600m飽和潜水用ダイバーズウオッチの40周年を記念した限定モデル。「水中でもすぐに時間がわかる大きさもいいですね。街使いにもよさそう」と田邊さん。夕日に染まる幻想的な海をイメージした紫色のプロテクターは、高硬度セラミックス「サーメット」製で堅牢性も兼備。たくましくも軽やかに極地を歩く田邊さんによく似合う。

田邊さんに、セイコー プロスペックスの『1978 クオーツダイバーズ 40周年記念限定モデル “Violet Ocean”(ヴァイオレットオーシャン)』を見てもらうと、「そう、この色」と大きくうなずく。「北極でさえ南極ほど空気が澄んでいないので、この色の空にはならない。南極ならではの色です」

紫色に輝く時計は、かの地を行く探究者と、その目に映る美しい世界の果てに、思いをはせる時間をも告げてくれるのかもしれない。

1978 クオーツダイバーズ 40周年記念限定モデル “Violet Ocean”
SBBN042

SPEC 1978年の植村直己氏の北極探検で使用されたオリジナル版から防水性を1000mに向上。メタリックなヴァイオレットカラーが映えるモデル。数量限定800本。
 
PRICE 300,000円+税

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