

ナポリ東洋大学で学んだ後、奨学生として来日。九州大学大学院修了。帰国後、日本の自動車メーカーの現地法人およびフィアット グループでの勤務を経て、2005年から現職。


勝山市生まれ。青山学院大学英米文学科卒業後、勝山市役所入庁。2009年退職、勝山市副市長に選任される。同年より勝山左義長まつり実行委員長。『平成「勝山左義長」備忘録』を自費出版。
※役職、肩書きは取材時のものです。
心浮き立つ左義長ばやしが育む
家族の絆、地域の絆
残雪が、寒く長かった冬を思わせるドライブウェイをJeep® Compassで勝山へ。ちょっとした悪路などものともしないJeep®ならではの力強い走行性とコンパクトSUVならではの快適性を兼ね備えた空間が、まだ見ぬ祭りへの期待で満たされていく。たどり着いた勝山の市街地では、色とりどりの短冊が風になびき、12カ所に据えられた櫓(やぐら)では、賑やかな左義長ばやしが始まっていた。
「勝山左義長まつりは、江戸時代から300年以上にわたって続く『春を呼ぶ奇祭』です。正月に用いた門松や注連(しめ)飾りを持ち寄って焼く、『左義長』や『どんど焼き』と呼ばれる行事は全国で執り行われていますが、ここ勝山ではエリアごとにくり出す舞台櫓の上で、赤い襦袢姿の男衆や子どもたちが左義長ばやしを演奏し、一日中浮かれるのが特徴です」と語るのは、勝山左義長まつり実行委員長の松村誠一氏。
かつて遊郭にいた若者が遊女の赤襦袢を着て櫓で太鼓を叩いたことに由来するという華やかな衣裳と、途切れることなく演奏される左義長ばやしのリズムに心が躍るさまは、地元の人々が口にする「浮く」という言葉がぴったりだ。
「日本の祭りというと、粛々と行われる厳かな神事を連想しがちですが、ここでは誰もが笑顔なのが印象的です。櫓に上がって三味線や笛、鉦、太鼓を演奏する子どもたちも、通りに連なる屋台をのぞく子どもたちも、それを囲む大人たちも、皆さんが楽しげで幸せそう。ファミリーや地域の絆の強さを感じました」と、Jeep®のマーケティング本部長、ティツィアナ・アランプレセ。
実は、どの地区でも子どもばやしが行われるようになったのはここ50年ほどのこと。松村氏が幼い頃に住んでいた地域では、櫓に上がることができるのは大人の男性だけで、地元とは別の地区の櫓で同世代の子どもが見事なばちさばきを披露する姿を羨ましく感じていたという。昭和45年からは 「子どもばやしコンクール」が開催され、地域の大人からの指導を受けた子どもたちが、12の櫓で腕を競うようになった。
「伝統を頑なに守るだけでなく、より多くの人が参加し、受け継いでいくことができるようにと、祭りの形がフレキシブルに進化しているのがいいですね。今は一人っ子も多く、コンピューターゲームなど遊びの場も家の中が中心になりがちですが、こうして外に出かけて、さまざまな世代の人と交流する経験は、子どもを大きく成長させると思います。ファミリーでの旅やアウトドアでの遊びに適したJeep® Compassで訪れることができたことに、まさに心が『浮く』思いです」とティツィアナ・アランプレセは語る。



(左上)白山山渓を望む勝山の街路にはためく短冊。カラフルなその色は、江戸時代に領主が定めた地域ごとの火消しの組の旗印の色に由来するといわれる。
(左下)襦袢姿で櫓に上がる男衆の晴れ姿。勝山左義長ならではの短いばちを手に、踊るような振りとともに太鼓のリズムを刻む。
(上)弁天河原にいくつもの火柱が上がるさまは、圧巻。
どんど焼きの火で神を天に送り
白山の麓で春を迎える喜び
午後7時45分、左義長ばやしで賑わう町の中心部にありながら、暗く静かな神明神社の境内に、各地区の代表者が集まってきた。神社に祀られている火産霊神(ほむすびのかみ)の御神火(ごしんか)を篝火にいただき、14の松明に移してどんど焼きが行われる九頭竜(くずりゅう)川の河川敷へと向かう。
弁天河原にはすでに、14の御神体が円状に配され、御神火の到着を待っていた。午後8時、狼煙の合図で一斉にそこに火が移され、火柱が高く大きく、夜空へと舞い上がる。河原や橋の上から見守る人々の顔も、炎で赤く照らされる。
「どんどや どんど 夜空を焦がし 九頭竜に映える 左義長や左義長」と左義長ばやしにも唄われる光景は、旅のクライマックスとして、いつまでも心に残ることだろう。
「このどんど焼きが勝山左義長まつりの最も大切な行事です。それぞれの櫓の側に置かれていた地区ごとの御神体や、正月飾り、書き初めなどを御神火で天に送ることで、勝山はようやく春を迎えるのです」と松村氏は語る。
勝山の人々にとって、もう一つの春の訪れの目安となるのが、日々変わっていく白山山渓の表情だという。初雪とともに冬支度を始め、雪で真っ白に覆われた山々を見ながら過ごす長く厳しい冬を経て、左義長まつりが終わる頃から徐々に雪はとけ、残雪が鶴の形に見えるようになったら、それが田植えの合図だと言い伝えられてきた。霊峰白山を望むこの地では、豊かな水の源でもある山を神とも仏とも崇める白山信仰もまた、歴史や文化の礎となっている。

(上)まだ雪の残る白山を望む。Jeep® Compassの鮮やかなブルーが映える。
(右上)全国に3000以上あるといわれる白山神社の総本山である白山比咩神社。
(右下)白山の西、勝山から白峰へ向かう途中のルート。例年なら2月末はまだ路面にも多くの残雪があるが、今年は春の訪れが少し早かった。


エネルギーに満ちた新しい季節へと誘う
Jeep® Compassでの旅
「実は私は以前、Jeep® Cherokeeに乗っていたんです。山道が多く雪も積もる勝山では、しっかりとした足回りの車は必需品。勝山左義長まつりやスキー場、恐竜博物館などを目当てに県外からいらっしゃる観光客も、Jeep®に乗っている方は多いですよ」と松村氏。それを受けてティツィアナ・アランプレセも「それは嬉しいご縁ですね。今回、私たちが乗ってきたJeep® Compassは、Jeep®の5つの車種の中でも特に、男性、女性を問わずどなたにも運転しやすく、しかも安全装備が非常に充実しており、家族での旅におすすめです。白山信仰の聖地をドライブしながら勝山に向かい、左義長ばやしで笑顔になり、ドラマティックな送り火の感動を共有したことで、春とともに、また新しく、いいスタートがきれそうです」と微笑む。
伝統に触れることで日々成長していく子どもたちと、彼らを見守り支える大人たちの交流が随所で見られた勝山左義長まつり。そこには「内なる力を呼び覚まし、前進させる情熱」を宿したJeep®の精神にも通じる「日本のこころ」があった。
新しい自分と出会い、新しい何かを見つけるために。Jeep®と行く、日本の「こころ」を探る旅は、次の季節へと続いていく。
勝山、白山の魅力に触れる旅
古くから人々が崇める日本三大名山の一つ、白山。
その麓で、独自の文化を育んできた勝山。
豊かな自然と人々の笑顔が迎えてくれる旅を通じて、
家族や友との絆を深め、新たな世界の扉を開いて。
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綿ケ滝
石川県白山市の絶景スポット。滝の名前は、手取峡谷に落下する滝の水の飛沫が綿のように見えることに由来する。
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白山比咩神社
霊峰白山を御神体とする、2100年以上崇められてきた白山信仰の中心。現在も「白山さん」と呼ばれ親しまれている。
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白山平泉寺
717年に泰澄によって開かれた、勝山に於ける白山信仰の拠点。杉の老木がそびえ苔に覆われた参道が美しい。
白山市観光情報「うらら白山人」
http://www.urara-hakusanbito.com/恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク観光情報「勝山日和。」
https://www.city.katsuyama.fukui.jp/kankou/kankouweb/

Jeep® Compass
Limited
- サイズ(全長×全幅×全高):4400×1810×1640mm
- エンジン型式:直列4気筒 マルチエア 16バルブ
- 総排気量:2359cc
- 最高出力:129kW(175ps)/6400rpm[ECE]
- 駆動方式:4輪駆動(オンデマンド方式)・電子制御式9速AT
- 全国メーカー希望小売価格:¥4,190,000(税込)
※記載の価格は2019年4月26日現在のものです。

※櫓の前、神社仏閣での撮影は特別に許可を得て行っています。
ジープフリーコール:0120-712-812(9:00~21:00、無休)
日本各地の知られざる伝統文化を訪ねるJeep®の旅
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宮崎県・高千穂町
夜神楽
「古事記」や「日本書紀」に神々が降り立った地と伝えられる高千穂。700年以上にわたり受け継がれてきた夜神楽と、大自然が生み出した神秘的な景観を楽しめる峡谷を訪ねる。
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福井県・勝山市
勝山左義長まつり
「どんどや どんど 夜空を焦がし 九頭竜に映える 左義長や左義長」。
心浮き立つ左義長ばやしに彩られた「春を呼ぶ奇祭」を訪ね、霊峰白山の麓、九頭竜川と美しい山並みに抱かれた勝山市へ。 -
島根県・松江市
ホーランエンヤ
鮮やかに彩られた約100隻の船によって10年に一度繰り広げられる、日本三大船神事の一つ、「ホーランエンヤ」。水の都・松江で江戸時代から370年続く、壮大な水上絵巻が幕を開ける。
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和歌山県・那智勝浦町
那智の扇祭り
熊野信仰の聖地の一つ、那智山。那智大社から那智の滝へと続く参道を12本の扇神輿と重さ50キロに及ぶ12本の松明を担いだ氏子たちが登り降りする。この勇壮にして神聖な祭礼を通して新しい自分と出会う。
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徳島県
阿波人形浄瑠璃
かつては神への奉納芸として神社の舞台で演じられ、江戸時代より庶民の娯楽として愛されるようになった阿波人形浄瑠璃。今も昔のままの姿を残す農村舞台で太夫・三味線・人形遣いの妙技が繰り広げられる。
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山形県
黒森歌舞伎
真冬に演じられることから「寒中芝居」「雪中芝居」とも呼ばれる黒森歌舞伎。極寒の中で繰り広げられる名場面や飛び交う名台詞の数々。役者たちが躍動する地芝居の熱気が渦巻く。
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新潟県
太鼓芸能集団 鼓童
芸能の宝庫といわれる佐渡を拠点に、太鼓を中心とした音楽創作活動を行う鼓童。佐渡における能楽発祥の地、春日神社能舞台での力強い演奏は圧巻。エネルギーに満ちた、魂を揺さぶる鼓動が全身に響き渡る。
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静岡県
花火
日本の花火文化のルーツともいわれ、現在でも花火大会が盛んに行われる静岡。富士山麓の夜空に伝統と未来を照らす希望の花が舞い上がり、見る者の心に喜びと永遠の感動を残す。
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鹿児島県
奄美大島
2021年7月、世界自然遺産に登録された奄美大島。「東洋のガラパゴス」と称され、多様の動植物が生息・生育している大自然の宝庫。太古の自然と独自の文化が息づく亜熱帯の楽園で島人の温かな心に触れる。
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奄美大島
クラウドファンディング活動報告
「世界自然遺産の島を守りたい」という想いから立ち上げたクラウドファンディング。多くの方の支援により、奄美にEV充電スタンドが完成。人と自然が共生する未来に向けた新たな一歩を踏み出した。