NATIONAL GEOGRAPHIC Special
Jeep®と行く、日本の「こころ」を探る旅

島根県・松江市 ホーランエンヤ 水の都で10年に一度行われる絢爛豪華な船神事。

自由、冒険、本物、情熱 ― 4つのDNAを持つJeep®を駆って、日本という地が持つ「こころ」を解き明かす旅へ。江戸時代から370年続く、壮大な水上絵巻が幕を開ける。

FCAジャパン株式会社 マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ

ナポリ東洋大学で学んだ後、奨学生として来日。九州大学大学院修了。帰国後、日本の自動車メーカーの現地法人およびフィアット グループでの勤務を経て、2005年から現職。

ホーランエンヤ
松江市歴史まちづくり部松江歴史館 主任学芸員 新庄 正典氏

大阪府出身。島根大学法文学部文学科卒業。松江郷土館、松江市観光企画課歴史資料館整備室の学芸員を経て、現在は松江歴史館に主任学芸員として勤務。松江ホーランエンヤ伝承館を担当する。

鮮やかな水上絵巻に込められた
五穀豊穣、天下泰平の祈り

 新緑と眩しいほどの棚田の水の煌めきが、爽やかな初夏の訪れを感じさせる山陰道をJeep® Renegade Limitedで島根県松江市へ。Jeep®の5つのラインナップの中で最もコンパクトな車種ながら、先進のダウンサイジングテクノロジーが実現した馬力と取り回しの快適さが、旅への期待を増幅させる。鮮やかに彩られた約100隻の船によって繰り広げられる「ホーランエンヤ」の渡御祭(とぎょさい)を前に、街は静かな興奮に包まれていた。

「松江城山(じょうざん)稲荷神社式年神幸祭こと『ホーランエンヤ』は、渡御祭に始まり9日間にわたって行われる、10年に一度の祭りです」と語るのは、松江歴史館の主任学芸員で松江ホーランエンヤ伝承館を担当する新庄正典氏。慶安元(1648)年に、天候不順による凶作に心を痛めた松江・松平家初代藩主の松平直政が、松江城山稲荷神社の御神霊を阿太加夜(あだかや)神社まで船で運び、五穀豊穣を祈願させたことに由来すると伝えられ、大阪天満宮の天神祭、厳島神社の管絃祭と並び、日本三大船神事に数えられている。

 朝10時、大橋川に架かる橋の上で待ち受ける人々の前に、威勢のいいホーランエンヤの唄声とともに、櫂伝馬船(かいでんません)を中心にした船団が近づいてきた。一糸乱れぬ櫂さばきで操られる船の上では、華やかな歌舞伎役者風の衣裳に身を包んだ若者が、舳先(へさき)では剣を手に勇壮に、船尾では女姿で華麗に舞いを繰り広げている。五大地と呼ばれる馬潟(まかた)、矢田、大井、福富、大海崎(おおみざき)、それぞれの地域が趣向を凝らし、色とりどりの幟(のぼり)を風にはためかせた櫂伝馬船を中心に船団を組み、水の上を滑るように進んでいく。

「Jeep®は自然との親和性が高く、『どこへでも行ける、何でもできる』車です。松江の人々にとっては、車と同様に船もまた、旅や移動に欠かせない大切なパートナーなのですね」と、Jeep®のマーケティング本部長、ティツィアナ・アランプレセ。

 自動車が誕生する前の時代の人々にとって、船は唯一と言ってもよい大切な移動や運搬の手段だったのだろう。特に松江は、水の都。大橋川や意宇川が宍道湖と中海をつなぎ、現在に至るまで漁も盛ん。ホーランエンヤはそんな地域性が育んだ祭りなのかもしれない。

「水とともに生きる松江の人々には、アウトドアの文化を担ってきたJeep®と相通じるスピリットを感じます。櫂伝馬船が近づいてくると、観客から自然に拍手が湧き上がり、誰もが祭りに参加している姿も印象的でした」。約1キロメートルにおよぶ船団を見送りながら、アランプレセは祭りの印象を語った。

櫂を操りながら天を指して踊る「剣櫂(けんがい)」 女姿の踊り手が色とりどりの紙や布を取り付けた采(ざい)を振る
出雲郷(あだかえ)橋に向かって意宇川を航行する大船団

(左上)櫂伝馬船の舳先(へさき)で、櫂を操りながら天を指して踊る「剣櫂(けんがい)」。
(左下)船の後部では、四斗樽の上で女姿の踊り手が色とりどりの紙や布を取り付けた采(ざい)を振る。
(上)御神霊を船から下ろす出雲郷(あだかえ)橋に向かい、意宇川を航行する大船団の姿は壮観。

変わりゆく時代の中で
郷土への誇りと愛を守り続けて

 ホーランエンヤは、10年に一度の式年祭。祭りの行われる年は平和で、経済も好況であることが多いと古くからいわれる。

「でも、毎年開催される祭りとは違って、次の開催が10年後となると、文化の伝承には苦労もあるのでは?」と、アランプレセは問いかける。

「剣櫂や采振りの踊り手は14〜15歳の少年、太鼓の囃子方は小学生が務めるため、次の祭りのときには立派な若者に成長し、漕ぎ手として参加することも少なくありません。10年前の記憶をたどりながら祖父から父へ、孫の世代へと370年近くにわたり受け継がれてきたのでしょう。ホーランエンヤの唄や踊りの振り、衣裳は、5つの地域それぞれで少しずつ異なります。どの地域も、自分のところが一番だと誇りを持ち、他と競い合うような気持ちで力を尽くすのです」と新庄氏。とはいえ、少子化や若い世代が都会へと流出してしまう昨今の風潮の中で伝統を受け継ぐためには課題も多い。

「櫂伝馬船には五大地に生まれ育った者しか乗ることができないという決まりなのですが、一番大きい船は58人乗り。人員を確保するのは難しい問題です。五大地の筆頭である馬潟の馬潟地区と灘分(なだぶん)地区では、小・中学生と園児による『子どもホーランエンヤ』という組織を結成し、継続的に練習を行っていくという動きも出てきました。華やかに彩られた船の美しさや、櫂伝馬船上での唄や踊りに注目が集まり、大きな観光資源にもなっていますが、ホーランエンヤは、あくまでも神事です。松江の人々が育み、受け継いできた祈りの心が、これからも長く続くことを願っています」(新庄氏)

島根県立美術館前の岸辺にて

(上)宍道湖から中海へと流れる大橋川の岸辺にて、ホーランエンヤの船団を見送る。
(右上)慶長16(1611)年に堀尾吉晴により築城された国宝・松江城。
(右下)中国地方の最高峰、大山(だいせん)を望むドライブウェイで、Jeep® Renegade Limitedのパワー&トルクを堪能。

松江城 大山を望むドライブウェイ

神話の国、水の郷の人々との
触れ合いから広がる新しい世界

「オリジナリティを大切にしながら時代の中で柔軟に変化、進化していく姿勢は、Jeep®のコンセプトの一つである『リアル』にも通じます。受け継がれる祈りの心の先に多くの人々の幸せがある。それはまさに『こころの旅』であり、時を超えた幸福のシェアではないでしょうか」(アランプレセ)

 かつて松江は、その確かな審美眼で茶の湯の歴史に大きな足跡を残した茶人にして、松平家7代藩主である不昧公(ふまいこう)こと松平治郷を生み、また、日本の文化を西洋の視点から捉え直した著作で知られるギリシア系英国人、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンを魅了した地としても知られている。

「出雲大社にも近く、幼い頃から『古事記』や『日本書記』に記された国造りや国譲りの物語に触れる機会も多い松江の人々には、独特の気質がある気がします。それは、神々への敬虔な思いや、伝統文化を受け継ぎ守るという意識から生まれたものかもしれません。ホーランエンヤをきっかけに水郷松江を訪れ、神事に触れた方々にも、ぜひ、この土地に伝わる精神性を感じていただければと思います」(新庄氏)

 新しい自分と出会い、新しい何かを見つけるために。Jeep®と行く、日本の「こころ」を探る旅は、次の季節へと続いていく。

今回ご紹介した
島根・鳥取の旅は、YouTubeの
Jeep® Japan公式チャンネルでも
お楽しみいただけます。

ホーランエンヤ

島根・鳥取の魅力に触れる旅

水と自然に恵まれ、神話の時代から
独自の文化を育んできた山陰エリア。
郷土の文化に対する誇りと愛情に満ちた人々との
出会いを通して、新たな世界の扉を開いて。

Jeep Renegade
Limited

  • サイズ(全長×全幅×全高):4255×1805×1695mm
  • エンジン型式:直列4気筒 マルチエア 16バルブ インタークーラー付ターボ
  • 総排気量:1331cc
  • 最高出力:111kW(151ps)/5500rpm[ECE]
  • 駆動方式:前2輪駆動・6速乾式デュアルクラッチAT
  • 全国メーカー希望小売価格:¥3,550,000(税込)
※記載の価格は2019年7月30日現在のものです。
Renegade Limited

※車両の撮影は特別に許可を得て行っています。

日本各地の知られざる伝統文化を訪ねるJeep®の旅