NATIONAL GEOGRAPHIC Special

SPECIAL TALK ネイチャーフォトグラファー 柏倉 陽介 × ミュージシャン 松室 政哉 × SARAYA株式会社 廣岡 竜也 ボルネオで見た「自然との共生への希望」SPECIAL TALK ネイチャーフォトグラファー 柏倉 陽介 × ミュージシャン 松室 政哉 × SARAYA株式会社 廣岡 竜也 ボルネオで見た「自然との共生への希望」

『ヤシノミ洗剤』をはじめ、各種洗浄・消毒剤を製造・販売するサラヤは、植物原料の一つであるパーム油の生産地、マレーシア・ボルネオ島の環境保全活動を、15年前から続けている。その一環として、メディア関係者とともに現場を訪ねるプレスツアーを毎年実施し、今年5月で14回目を数えた。「パーム油の原料となるアブラヤシ農園の急速な拡大により熱帯雨林が伐採され、現地の生態系が崩壊しつつある。しかし現地にとっても世界にとっても重要な産業でもある。では、どうすれば良いのか? 発信力の高いメディアの方々を通じて、より多くの方に伝え、考えてもらうことが目的です」と、サラヤ広報宣伝統括部 部長の廣岡竜也氏が話す。今年のツアーにはネイチャーフォトグラファーの柏倉陽介氏と、ミュージシャンの松室政哉氏も参加した。3人の目に映ったボルネオの今とは。
(ボルネオでの写真はすべて柏倉氏撮影)

  • 写真:左より廣岡氏、松室氏、柏倉氏
  • 写真:ボルネオの様子

サラヤ株式会社に、廣岡氏、柏倉氏、松室氏が集まり、旅を振り返った。

許容量を超えた美しさと課題がある

廣岡松室さんは今回が初めてのボルネオ訪問でした。柏倉さんは弊社のツアー以外でも何度も行かれてますよね。

柏倉今回で8、9回目です。ボルネオは世界的にも珍しい動植物が見られるし、風景も素晴らしい。好きな場所です。なかでも好きなのは、今回も行ったキナバタンガン川です。風を感じながらボートに乗っていると、ボルネオにいるのだなと実感します。

  • 写真:ボルネオの様子
  • 写真:ボルネオの様子写真:ボルネオの様子
  • 写真:ボルネオの様子写真:ボルネオの様子
  • 写真:ボルネオの様子
  • 写真:ボルネオの様子

ツアーではボルネオならではの動植物も多く撮影することができた。ラフレシアにサイチョウ、ミズオオトカゲ、オオタニワタリ。

松室僕も夕方の、ボートでキナバタンガン川をクルーズした時間が好きでしたね。本当に気持ちが良かった。肌に風が当たる感覚や匂いを今も瞬時に思い出せるほどです。柏倉さんも夕景を写真に撮られていましたね。

柏倉空に光が残りつつ森が暗くなっていく景色がきれいでしたね。ああ、いいなぁ、と、シャッターを押しました。

松室この瞬間がきれい、この景色がいいと感知する、そのアンテナの磨き方を見習わないとなと、横で見ていて思いました。

  • 写真:ボルネオの様子
  • 写真:ボルネオの様子

ボートで川を下る。皆がボルネオを五感で感じた印象深い場面となった。

廣岡松室さんはミュージシャンとして、また違うアンテナを張っていたのでは?

松室そうですね。いろいろな音に出合いました。日が暮れると、聞こえてくる音が鳥や動物の声から虫の声に変わる。主役が交代するんです。それがおもしろかった。また訪問した農園では地元の子どもたちに踊りを見せてもらいました。その曲も印象的でした。あとは、星です。ボートから見上げた夜空の星が、見たことがないぐらいにきれいだった。自分の器を超えるような美しさを見せられて、「この体験は曲に反映されていく」と、瞬間的に思いました。

廣岡一方で、初日に訪れたサバ州野生生物局では、野生動物の危機的な状況と活動資金が不足している厳しい現状を聞きました。またテングザルの保護区は観光資源としてテングザルと森を保全しており、観光客が来なければ保全を維持できないという危うさがあった。初日から環境保全の難しさを知る形になりました。

松室ボルネオの課題については出発前から聞いていたのですが、実際に現地の人にお話を聞くと重さがまったく違いますね。状況の深刻さを感じ、考えさせられました。

  • 写真:ボルネオの様子
  • 写真:ボルネオの様子

間近にやって来たテングザルに驚く松室氏。雄がもつ大きな鼻が特徴だ。

SARAYAの環境保全プロジェクト

私たちの日常生活に欠かせないパーム油は、アブラヤシの実から精製される油です。85%が食用、15%が工業用として世界中で利用され、ボルネオ島を含むマレーシアとインドネシアの2国を合わせた生産量は世界の約85%にもなります。このパーム油の世界的な需要増加を背景に、アブラヤシの農園(プランテーション)が急速に拡大し、熱帯雨林が減少。野生の動植物の絶滅危機や地球温暖化といった深刻な問題も起こっています。一方で、世界中の利用者やパーム油産業で生計を立てている現地の人々の暮らしにも配慮する必要があります。

創業当初より、人と環境にやさしい植物原料を用いた製品づくりに努めてきたサラヤは、場当たり的にパーム油の使用をやめることが問題の根本的な解決にはならないと考え、社員自らが現地に赴き、政府や環境保全団体、生物学者などパーム油に関わるさまざまな人々と協議。野生生物や森を守りながら生産者や消費者の生活も維持していくため「環境と産業の両立」を目指した活動に2004年から取り組んでいます。

ボルネオ保全トラストに使われる
サラヤの商品

野生生物局と環境保全団体、企業などが中心となって設立された、NGO「ボルネオ保全トラスト(BCT)」は、ボルネオ エレファント サンクチュアリの運営や、熱帯雨林を購入してゾウの移動路にする「緑の回廊プロジェクト」、森と森をつり橋でつなぎオランウータンの生息域を広げる「命の吊り橋プロジェクト」など、野生の動植物の保全活動を展開しています。
「ヤシノミシリーズ」をはじめ、パーム油関連製品の売り上げの1%が、ボルネオ保全トラストを通じた環境保全活動に使われます。