NATIONAL GEOGRAPHIC Special

SPECIAL TALK ネイチャーフォトグラファー 柏倉 陽介 × ミュージシャン 松室 政哉 × SARAYA株式会社 廣岡 竜也 ボルネオで見た「自然との共生への希望」SPECIAL TALK ネイチャーフォトグラファー 柏倉 陽介 × ミュージシャン 松室 政哉 × SARAYA株式会社 廣岡 竜也 ボルネオで見た「自然との共生への希望」

SARAYAの環境保全プロジェクト

私たちの日常生活に欠かせないパーム油は、アブラヤシの実から精製される油です。85%が食用、15%が工業用として世界中で利用され、ボルネオ島を含むマレーシアとインドネシアの2国を合わせた生産量は世界の約85%にもなります。このパーム油の世界的な需要増加を背景に、アブラヤシの農園(プランテーション)が急速に拡大し、熱帯雨林が減少。野生の動植物の絶滅危機や地球温暖化といった深刻な問題も起こっています。一方で、世界中の利用者やパーム油産業で生計を立てている現地の人々の暮らしにも配慮する必要があります。

創業当初より、人と環境にやさしい植物原料を用いた製品づくりに努めてきたサラヤは、場当たり的にパーム油の使用をやめることが問題の根本的な解決にはならないと考え、社員自らが現地に赴き、政府や環境保全団体、生物学者などパーム油に関わるさまざまな人々と協議。野生生物や森を守りながら生産者や消費者の生活も維持していくため「環境と産業の両立」を目指した活動に2004年から取り組んでいます。

均等に筋を描くヤシ畑が、眼下いっぱいに

松室3日目に行った、ボルネオ エレファント サンクチュアリ。伐採ですみかを奪われた結果、傷ついたり孤児になったりしたゾウを保護する施設では、収容されたばかりだというゾウがいましたね。すごく気が立っていて、僕ら人間を見ると突進しようとした。怖かったですね。やっぱり野生動物なんだと思いました。

柏倉こことオランウータンのリハビリセンターの責任者はご夫婦で、昔から諦めずに動物を守ろうと頑張っている。アブラヤシで発展しようという世界もあれば、生き物を守ろうという動きもあって、ボルネオはそれが隣り合っていることを実感しました。

  • 写真:ボルネオの様子野生動物の保護施設、ボルネオ エレファント サンクチュアリ。
  • 写真:ボルネオの様子ボルネオ・レスキュー・ユニットのリーダー、JB氏。

松室対比といえば、ヘリコプターで空から見た光景が衝撃的でした。それまで熱帯雨林の中にいたので、森がずっと奥まで広がっていると錯覚していました。上から見ると、川沿いにわずかに森があるだけ。あとは均一に植えられたアブラヤシの畑が、見渡す限り広がっていた。人間はここまでやるんだな、と恐怖を覚えました。

廣岡実はヘリコプターではなく、ドローンの映像で見てもらおうという話もありました。でもプレスツアーの目的は、ボルネオの抱える課題を一人でも多くの人に知ってもらうこと。そのためにもメディアの皆さんには、やっぱり肉眼で見てリアルに実感してもらう必要がある。衝撃的だったと聞いて、ヘリコプターにして良かったと思いました(笑)。保全活動を始めて15年になりますが、いまだに多くの人が、ボルネオの環境問題は、弊社のヤシノミ洗剤が原因だと誤解されています。その誤解を解くこと、そして環境問題は自分たちの暮らしに関係があることを知ってもらうためにもボルネオへの関心を高めようというのが、サラヤの考え方です。

  • 写真:ボルネオの様子
  • 写真:ボルネオの様子

ヘリコプターの眼下に広がるアブラヤシのプランテーション。上空から見たからこそ、川の岸辺のわずかな場所にだけしか森が残っていないことがわかる。

松室たとえば僕のラジオ番組のリスナーや、歌を聞いてくれる人は、ボルネオの状況は知らないと思う。そういう人にどんどん発信していきたい。役割を得たような気がします。

柏倉ヘリにはこれまでも何度か乗り、プランテーションの圧倒的な広がりに無力感を覚えていました。でも今回、森や動物を守ろうとする人々やサラヤさんのような企業の取り組みを知り、ヘリからの景色も少し違って見えた。現地の人と外の人が一緒になって最善策を探れば、まだ間に合う気がします。僕も写真を通して、これからもボルネオの課題を紹介していきたいと思います。

  • 写真:ボルネオの様子

プランテーションの中の様子。アブラヤシは高さ15〜20mにも成長する。20〜30kgにもなる果房を落とす収穫作業は重労働だ。

  • 写真:左より廣岡氏、松室氏、柏倉氏

プロフィール

  • 写真:柏倉陽介氏

    柏倉陽介氏Kashiwakura Yosuke

    1978年生まれ。自然に対して幅広く撮影し、米国ナショナル ジオグラフィック国際フォトコンテスト入賞、パリ写真賞 PX3 野生動物部門・地球写真部門1位、国際モノクローム写真賞ランドスケープ・フォトグラファー・オブザイヤー受賞ほか、国際写真受賞に多数入賞。国連気候変動枠組条約締結国会議などにも展示された。

  • 写真:松室政哉氏

    松室政哉氏Matsumuro Seiya

    ミュージシャン。1990年、大阪生まれ。小学校時代に独学で作曲を始め、高校時代にシンガーソングライターとして活動を開始。10代限定の音楽フェス“閃光ライオット”のファイナリストに選ばれる。2017年に『毎秒、君に恋してる』でメジャーデビュー。以降、アルバムリリースや全国ツアー開催などを成功させファンを増やしている。レギュラー番組に「松室政哉のタワゴト」(東海ラジオ)が。ボルネオ体験談は「TACTY IN THE MORNING」(FM802)で報告した。

  • 写真:廣岡竜也氏

    廣岡竜也氏Hirooka Tatsuya

    サラヤ コミュニケーション本部 広報宣伝統括部 部長 クリエイティブディレクター。広告会社を経てサラヤ広告宣伝部入社。商品広告の企画・実行、コピーライティングなどを手がけるかたわら環境保全活動に携わり、CSR活動の企画、広報活動も担当。サラヤでは、ボルネオの環境保全活動のほか、アフリカ・ウガンダでの衛生環境改善を目的とした「100万人の手洗いプロジェクト」などさまざまな社会貢献活動を行っており、その取り組みは国内外から高い評価を獲得している。

ボルネオ保全トラストに使われる
サラヤの商品

野生生物局と環境保全団体、企業などが中心となって設立された、NGO「ボルネオ保全トラスト(BCT)」は、ボルネオ エレファント サンクチュアリの運営や、熱帯雨林を購入してゾウの移動路にする「緑の回廊プロジェクト」、森と森をつり橋でつなぎオランウータンの生息域を広げる「命の吊り橋プロジェクト」など、野生の動植物の保全活動を展開しています。
「ヤシノミシリーズ」をはじめ、パーム油関連製品の売り上げの1%が、ボルネオ保全トラストを通じた環境保全活動に使われます。