日経DI online Special

添付文書情報を独自手法でデータベース化
臨床現場で使いやすい情報提供を実現

データインデックス株式会社(東京都港区)は、電子カルテやレセコンに搭載する医薬品データベース事業において圧倒的なシェアを持つ。同社のデータベースが有する特徴と強みを探った。

 医薬品データベースの開発・販売を手がけるデータインデックスは1985年、電子カルテをはじめとする医療システムの黎明期に産声を上げた。「『電子カルテが普及したとき、そこに搭載されるデータが日本の医療界には不可欠になる』という先見の明をもった創業者によって、医薬品情報のデータベース化が構想されました」と取締役COO(最高執行責任者)の兼田太郎氏は語る。

 それから二十数年にわたり着実にデータの整備を進め、現在では約60種類の医薬品データベースを取り揃えるまでになっている。2020年11月からは、医療ビッグデータを広く手がける東証プライム上場企業、JMDCのグループ企業として事業を展開している。

薬剤師スタッフが表現のばらつきを統一

 データインデックスの医薬品データベースにおける最大の特徴は、製薬企業ごとに異なる医薬品添付文書の表現のばらつきを独自のルールに基づき統一して、データの検索性を高めていることだ。営業グループリーダーで臨床経験も持つ薬剤師の奥覚子氏は「添付文書の表現は日本語であっても、平仮名であったり漢字であったり、読み方が違ったり、ばらばらな表現で書かれています。それらを一定のルールに沿ってデータベース化することによって、漏れのない検索やチェックができるようにしています」と話す。

 データの統一に当たっては、同社のスタッフである薬剤師が添付文書情報の表現を精査して、必要に応じて協議を行いその適否を判断している。また、電子カルテとの連携にはレセプト(診療報酬明細書)に関する知識も必要になるため、病院団体が認定する診療情報管理士の資格を持つスタッフもデータ整備を担当する。同社の社員31人のうち、27人がこうしたデータベースの整備に携わっているという。

 処方・調剤する薬剤のリスクについて、臨床現場で利用しやすいように、きめ細かい注意喚起を行っていることも同社の医薬品データベースの特徴だ。「医師も薬剤師も日々更新される膨大な医薬品情報を全て把握しておくことは難しく、本来は注意が必要でも見落とされてしまうケースもあります。当社のデータベースでは、そうしたリスクを独自の基準に基づく6段階で分かりやすく区分しています」と奥氏は話す。

 データインデックスの医薬品データベースについて、兼田氏は「二十数年をかけて積み上げてきた成果として、臨床現場からも信頼性の高い整った形として使われるようになっています。約22,000品目に及ぶ医療用医薬品と約12,500品目のOTC医薬品の添付文書全ての改訂情報を日々追いかけるという、地道な作業も続けています」と語る。その結果、同社の医薬品データベースは、電子カルテシステムや薬剤支援システム、レセコンシステムなどを通じて、おおよそ2,500病院、8,000診療所、35,000薬局で利用されている。

 こうした利用実績は、医薬品データベースとしては非常に高いものといえる。「当社のデータベースは、この分野で高い支持を得ており、ご利用中の病院様や薬局様が次の年も契約を更新される割合は、95%に達しています」と兼田氏は話す。

独自のユニークなデータベースも

 データインデックスでは、医薬品添付文書に基づくデータベースのほか、「適応病名とレセプト病名とのリンクデータベース」や「ATC分類データベース」といった独自のユニークなデータベースも提供している(表1)。

表1
DIRの主要データベース

  • 医薬品マスタDB
  • 添付文書DB / インタビューフォームDB
  • 相互作用DB
  • 成分DB
  • 同種同効薬DB
  • ATC分類DB(WHO版)
  • 用法・用量DB
  • 適応病名とレセプト病名とのリンクDB
  • 禁忌病名とレセプト病名とのリンクDB
  • 副作用DB
  • 医薬品アレルギーDB / 飲食物アレルギーDB
  • 薬剤情報提供DBなど

※各DBの詳細はデータベースライブラリーをご参照ください。

 前者は、医薬品添付文書の適応症とレセプト上の疾病コードを対応させたデータベースで、臨床現場ではままある傷病名の登録漏れにも対応する。「薬と疾病コードは必ずしも一意にならず、また保険審査には地域差もありますので、このデータベースでは候補病名を絞り込んで閲覧できるようにして、最終的には利用者に選んでいただく形をとっています」と奥氏は言う。

 後者は、我が国で使用されている医薬品を、世界保健機関(WHO)の解剖治療化学分類(ATC分類)に対応させたデータベース。医療ビッグデータの分析、あるいは医師や薬剤師が海外ジャーナルに研究論文を投稿する際に、活用される機会が多いという。兼田氏は「医療ビッグデータの分析に当たっては、過去7年とか10年のデータを要求されることも多いのですが、そこは当社の蓄積が活きる部分です」と話す。

 なお、データインデックスの各種データベースは大学や研究機関への販売実績はあるものの、医療機関向けには直販されておらず、多くは電子カルテシステムやレセコンシステムの標準機能やオプション機能として提供されている。利用に当たっては、電子カルテシステムやレセコンシステムのベンダーへの問い合わせが基本となるが、データインデックスでも相談を受け付けている(相談はこちらから)。

 「当社のデータベースを活用いただくことにより医療機関での業務効率化が実現すれば、医師や薬剤師が本来の業務に専念できるようになり、医療安全が向上することは間違いありません。ぜひ活用を検討していただければ」と兼田氏は話している。

DIR取り扱いベンダ一覧

  • エーアイエス
  • SBS情報システム
  • カケハシ
  • 亀田医療情報
  • シーエスアイ
  • システムロード
  • ソフトウェア・サービス(SSI)
  • タカゾノ
  • トーショー
  • NEC
  • ネクシス
  • Medical AI LAB
  • PHC
  • 富士通
  • 薬進
  • Ubie
  • ワイズマン

※上記ベンダの場合でも機種によってはDIR未対応の場合もあります。


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