夏は「花の島」として知られる北海道・礼文島。
だがこの島は夜が更けてからもう一つの顔を見せてくれる。
島全体を覆い尽くすかのような満天の星だ。
ネイチャーフォトグラファーの柏倉陽介氏がその姿を収めるべく、
Jackeryのポータブル電源とともに現地へと向かった。

旬の味覚と静けさ、
そして美しい天の川が秋の礼文島の魅力

北海道稚内市の西側の日本海に位置する、日本最北端の離島である。数多くの高山植物が咲くことから「花の島」とも呼ばれている

秋風と呼ぶにはもはや冷たい風が、そっと頬をなでた。夏場は高山植物を見に来る人でにぎわう海辺の展望台も、今日は私一人だ。礼文島には紅葉を眺める場所はほとんどない。カーキ色と枯れ草色が織りなすなだらかな丘陵が永遠に続いていくかのように見えるだけだ。人によっては「荒涼としている」と表現する景色かもしれないが、私はこの圧倒的な静けさにむしろ安らぎを覚える。

礼文島までは稚内港からフェリーで約2時間。決して利便性がいいとはいえない場所だが、取材で訪れて以来、その景色や風土、そして季節ごとの旬の海産物に魅了された。当初は春夏に訪れていたものの、11月の礼文島で脂が乗ったホッケを食べて以来、秋冬中心に撮影に向かうことも増えた。目にも舌にも美味しい島。それが礼文島だ。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

礼文島に高い山はない。延々と続くなだらかな山並みは、昔訪れたスイスの山並みを思い出させてくれる

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

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礼文島は高山植物の島として知られる。標高500mにも満たない低山に、約300種もの高山植物が咲き乱れる希少な場所だ

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

気軽なハイキングで希少な高山植物に出会えることから、老若男女を問わず人気を集めている

島に泊まるようになって気づいたのだが、ここの星空は見事なものだった。礼文島は人の手が入りすぎていないため、街灯も少なく、海岸沿いは暗い。だが人工の光に邪魔されない分、星空の青や白、淡いオレンジ色まで肉眼ではっきり見えるのだ。特に秋冬になってもくっきりした天の川が見られるのは、光害のない礼文島ならではだろう。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

フェリーターミナルからもほど近い「桃岩展望台」から撮影した星空。中央にくっきりと天の川が映っている

礼文の人々が守り続けるこの星空を、「星空保護区」に選定してもらえないだろうか。そう考えて、まずは観光客や島の人が気軽に星空を眺められる場所を自分の手でつくってみようと思い立った。役所から、スコトン集落内の、以前畑として使われていた熊笹の草原の一部を借りて、笹を刈り取ってテニスコート一面分の空き地にする。そこに私が流木でつくったベンチを並べて「星空鑑賞区」にするのだ。夜はこの場所で観光客を対象とした写真教室を開くのも面白いだろう。もちろん、ただ星空を眺めるだけでも利用して欲しい。

※星空保護区 光害の影響のない、暗い自然の夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える制度。国際ダークスカイ協会(IDA)が2001年に始めた制度で、日本では西表石垣国立公園(石垣市・竹富町)や東京都の離島である神津島が選定されている。

バッテリー切れ、駆動音も気にしない!
ポータブル電源があれば「どこでもDIY」が叶う

ベンチの材料に流木を選んだのは、ありのままの自然を愛するこの島に、余計な人工物を持ち込みたくなかったからだ。浜辺には潮で流されて現れた流木がゴロゴロ転がっている。それをクルマで運んで、空き地でベンチに仕上げる。普段から神奈川の自宅でDIYをやっているので、道具もそろっていて作業にも慣れているほうだ。朝から作業すれば、日が暮れるまでには完成するだろう。

早速、数人並んで座れそうなサイズの流木を見つけた。このままクルマに積むには大きすぎるので、適当にカットするとしよう。持参したチェーンソーをJackery ポータブル電源 1000 Plusに接続する。本来DIYは材料と道具さえあれば場所を選ばず楽しめるものだが、電源設備のない自然の中では難しい。その制約を取り払い、本当に「どこでもDIY」を可能にしてくれたのが、Jackery ポータブル電源だ。自宅でたった1.7時間でフル充電できることにも驚いたが、ソーラーパネルで追加充電もできるので、長時間に及ぶ作業でも安心だ。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

海岸に打ち寄せられた流木をクルマに積み込めるサイズにカットする。
余計な人工物を持ち込まず、自然の素材を生かしてつくる。これこそがエコだと思う

「星空鑑賞区」予定地に移動し、作業を再開する。これから切り出した流木をグラインダーで削り、人が座りやすい形状に整えていくのだ。時に神経を研ぎ澄まし、また時に無心になりながら、木が本来持っている表情をあぶり出していった。同じような流木の作品をこれまで何度か製作したが、完成品は、一つとして同じにはならない。そこに写真とはまた違った面白みを感じる。

ところで自宅でも同じグラインダーを使っているが、切れ味が鋭いぶん、駆動音も大きいのが悩みだった。大きな木材を切る際は近隣に配慮して風呂場に隠れるようにして作業することも多かったが、今回のような屋外や広い庭、畑などを作業場にできれば、音も気にする必要はなくなる。Jackery ポータブル電源は、場所や騒音などDIYにまつわる悩みを一気に解消してくれる、“大人のひみつ道具”かもしれない。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

Jackery ポータブル電源 1000 Plusと工具があれば、「いつでも」「どこでも」DIYできる。
大自然の下で作業する開放感はたまらない

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

台座にも流木を活用。今は白い座面も風雨にさらされて表情を変えていくだろう

ベンチが完成すると、作業で汗ばんだ肌が一気に冷えたように感じた。気づかないうちに、かなり日が傾いていたようだ。11月の礼文島は分厚い防寒具を着ていても時に震えるほど寒い。クルマのトランクからケトルを取り出して1000 Plusにつなぎ、温かいコーヒーを淹れた。低い山の稜線がオレンジ色に染まるのを眺めながら、「今夜はどんな星空が見えるだろうか」と期待しながらカメラの準備をする。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

完成したベンチ。釘を一本も使っていないので、いつかは朽ちて自然に還る。その日まで、何度この地を訪れることができるだろうか

今あるものを大事にし、無駄なものを増やさない
心がけ一つで環境は守れる

満天の星が周囲を包み始めたころ、島の知人が数人、カメラを片手に手製の「星空鑑賞区」にやってきた。すぐにでも撮影のテクニックを伝授したいところではあるが、仲間たちは流木ベンチにも興味津々だ。せっかくなのでコーヒーを振る舞いつつ、しばしDIYの話題で盛り上がった。

DIYをする人の多くは「便利なものを作りたい」というよりも「今ある材料を無駄なく使い切り、余計なゴミを出したくない」という思いが強いのではないだろうか。単に使いやすいものならいくらでも売っているが、自分たちの生活と自然に調和したものを工夫しながらつくりたいのだ。この島にいると、余計な開発などせず、今ある魅力を伝えるだけで人が集まってくるのではないだろうかと感じる。

足元もおぼつかないほどの暗闇の中で、満天の星を見上げる。これほどの星明かりに包まれたことが今までの人生であっただろうか。家々やビルの明かり、そして街灯のおかげで生活はしやすくなったが、それと引き換えに私たちは星空を遠のかせてしまってきた。でも、光量を落としたLED電球に取り替えるなど、ほんの少しの工夫をするだけで、また星空を少しずつ取り戻すことはできる。

自然の中に身を置くと、人はとても素直になれる。もしかしたら、自然を自分たちに近づけることでも、それは叶うのかもしれない。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

礼文島の「星空鑑賞区」で、降るような星空に包まれる

Jackery ポータブル電源 1000 Plus

定格容量 1264Wh
定格出力 2000W
サイズ・重量 約H356×W260×D283 mm
(約14.5kg)
サイクル 4000+
電池 リン酸鉄
保証 3年+2年
満充電時間 AC 1.7時間
ソーラーパネル200W×4枚 2時間

Jackery SolarSaga 100W ソーラーパネル

サイズ・重量 [収納]
W610×H535×D35mm
[展開]
W1220×H535×D20mm
4kg
最大出力 100W
定格電圧/
定格電流
20V/5A
開路電圧/
短絡電圧
24.8V/5.6A
動作温度 −10~65℃

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柏倉 陽介
(かしわくら ようすけ)

1978年、山形県生まれ。主な撮影分野は自然風景、人物、野生動物、環境保護など多岐にわたる。ナショナル ジオグラフィック国際フォトコンテストやレンズカルチャーアースアワード、ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーほか数多くの国際写真コンテストに入賞。作品は国連気候変動枠組条約締約国会議やロンドン自然史博物館、米国立スミソニアン自然史博物館などに展示されている。

柏倉陽介公式サイト

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