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第4回ニューロインクルージョン委員会報告

「気づき」きっかけ提示から始め、最終的には生産性向上のエビデンス構築目指す

第4回ニューロインクルージョン委員会報告 「気づき」きっかけ提示から始め、最終的には生産性向上のエビデンス構築目指す

 ニューロインクルージョン委員会は、ニューロダイバーシティ(神経多様性)を互いに尊重し、この違いに由来する強みを活かし合える職場づくりに貢献する指標の検討を目的として組成された。2025年12月23日に開催した第4回委員会は、外部有識者は招かず、中間まとめを行った。

 まず、これまでのヒアリングで得た知見を振り返った。2回目のヒアリングで紹介されたニューロダイバーシティプロジェクト(https://neuro-diversity.world/minnou2025/)における「ニューロダイバーシティアワード」について、石戸氏から補足もなされた。

 石戸氏は、「ニューロダイバーシティアワードは、3つの審査基準(革新性、社会受容性、持続可能性)を設けた上で、各審査員が審査をしている」と説明。2024年は、初年度であったこともあり、社会的インパクトが大きな実績がある取り組みの受賞が多く、2025年は具体的なソリューションが受賞する傾向があったという。そのため、企業がニューロインクルージョンを進める際のガイドとなるような指標の作成を目的としている委員会の活動とは、両立し得ることを再確認した。

 その上で、発達障害や精神障害(精神疾患)に加え、身体障害や病気など、働く上で何らかの障害に直面している当事者が就職先を選ぶ際に参考になることも念頭に置きつつ、指標の位置づけとしては、ニューロインクルージョン(相互理解・相互尊重)を進め、誰もがのびのびと自分の力を発揮できる組織にするために必要なプロセスを示すことで合意した。すなわち、様々な特性がある人たちが働きやすい職場とはどのようなものかの解像度を上げて示す。その結果、当事者だけでなく皆の心理的安全性が高まり、生産性向上にもつながる。この目的に向かうプロセスの一つに指標を位置付ける。

 加えて、指標案を検証しエビデンスを示すことも必要との意見が出された。とはいえ、検証の結果を得るまでには時間がかかるため、当面は、実施難易度を考慮しつつ、まず神経多様性への気付きをうながすことから始めることも提案され合意した。

 気付きをうながす上では、各企業がすでに策定している人権宣言の対象にニューロダイバージェントが含まれることを意識してもらうため、フォーラムが2024年度に取りまとめたニューロダイバーシティ宣言を修正し、これから取り組む企業がこの宣言を採択しやすくすることも委員から提案された。

企業の成長戦略としてのニューロダイバーシティ宣言の修正案

 私たちは、それぞれの脳や神経の発達・機能に違いがあること、そこから生じる考え方、感じ方などの多様性(ニューロダイバーシティ)を互いに尊重し、これらの違いに由来する強みを活かし合う配慮と工夫のある職場づくりに取り組めるよう努めます。

 こうした取り組みを通じて、全ての従業員が安心して能力を最大限に発揮できる職場を実現し、持続的な企業価値の向上を図ることで、全てのステークホルダーに貢献していきます。

 一方、エビデンスづくりについては、フォーラム参加企業の協力を得てはどうかとの意見が出された。具体的には、委員会で作成した指標案を、社内で検討してもらい、ニューロインクルージョンを進めやすくなるかを評価してもらう、そのフォードバックを得て委員会側で、指標の評価マニュアルを作成する、というものだ。

 指標案とは別だが、好事例を共有することの重要性も再度指摘された。ニューロダイバーシティという言葉を知らないものの、個々の従業員を尊重し、力を引き出す風土改革を進めている企業は複数存在するため、そのような企業が実践していることを、ニューロダイバーシティの文脈で捉えなおすことも、フォーラムの活動の裾野を広げる上で重要との指摘もあった。

【ニューロインクルージョン委員会委員】
Kaien法人ソリューション事業部ゼネラルマネージャー/シニアディレクター 大野順平氏
PwCコンサルティングシニアマネージャー 吉田 亜希子氏
野村総合研究所ヘルスケア・サービス産業コンサルティング部シニアコンサルタント 木島百合香氏
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 石戸奈々子氏
一般社団法人ニューロダイバーシティ協会代表 市田悠貴氏
いちごアセットマネジメント副社長 石塚愛氏
NPO法人えじそんくらぶ代表 高山恵子氏(欠席)
<事務局>
日経BP

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