好きで始めた仕事 初心を忘れず突き進む

「働く女性の一人として、今回の受賞はとても光栄なこと。素敵な時計までいただいて、本当にありがたく、励みに思います」

スイスの時計工房を訪ねたことがあるほどの時計好きを自任する木村さん。

女優デビューは、20歳のとき。今の事務所の社長との出会いを機に、この世界へ飛び込んだ。翌年には初の映画出演で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後もドラマに舞台に歌、司会、声優、バラエティー番組への出演と幅広い活躍で知られる。

針が時を刻むように、目の前の仕事を一つひとつ丁寧に積み重ね、着実に歩みを進めてきた。

「どの仕事にも思い入れがあるし、今の自分につながっている。積み重ねてきたからこそ、ここにいるんだと感じています」

仕事を長く続けていく秘訣(ひけつ)は、「初志貫徹」にあるという。

「このお仕事に正解はないんです。作品にしても役柄にしても解釈は人それぞれだし、見る人の好き嫌いもあれば、視聴率に悩まされることもあります。そういう中で、自分が最初に役に対して抱いた気持ちをまっすぐ貫き通すこと。いかに周りに流されず、演じ続けられるかが肝だと思っています」

何より、好きで始めた仕事だ。初心を忘れず、与えられた役には全力投球で挑む。そのストイックさが、彼女の揺るがぬ魅力となっている。

「時は金なり」を育児で実感 やりたいことは今日やる

最近では母親役を演じることも増えてきた。私生活でも、二児の母である。

「子どもができたことで、時間の使い方は大きく変わりましたね。限られた時間の中で、いかにベストを尽くせるかが勝負。集中力もかなり鍛えられました」

女優の仕事は「季節労働者のようなもの」と木村さんは言う。

「だから撮影のない時期は、幼稚園の送り迎えをしてごはんを作って、公園で一緒に遊んだり自転車の練習に付き合ったりと、普段の穴埋めをしています」

それでも、仕事のスケジュールと子どもの行事が重なることはある。そんなときは、子どもを優先するという。

「仕事をあきらめて悔しい思いをすることもありますが、母親としては当たり前のこと。また、年齢的にも無理を重ねるのには限界があります。子どもたちの前で笑顔でいるためにも、心と体の声を聞いてギリギリを超えないようにしています」

仕事と子育て。どちらも大切で、大好きなこと。自分の選択に迷いはないという。

「迷っている暇なんてありません。今日という日は二度と来ないのだから、失敗を恐れずにやりたいことをやるのがいちばん。『時は金なり』ですから」