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中小規模ビル向け遠隔省電力サービス「FACiTENA-i™ 」「BEMSの基本機能をクラウドサービスで提供」

※記事中の情報につきましては、すべて取材時点のものとなります。
東芝は、自社の多様な技術・商品・サービスをかけ合わせた「lifenology」(生命・生活とテクノロジーの造語)で、人々がいきいきと暮らせる、安心・安全・快適な社会=Human SmartCommunityの実現を目指している。その取り組みの一環として、BEMSの基本機能をベースに、クラウドで中小規模ビルの遠隔省電力化を可能にする「FACiTENA-i™」を紹介しよう。
矢代 幸一 氏 株式会社 東芝 コミュニティ・ソリューション社 スマートファシリティ技師長

2013年10月に神奈川・川崎駅前に完成した東芝の「スマートコミュニティセンター」は、スマートBEMSにより高度な省エネを実現しながら、執務者の快適性を向上させる、先進的なエネルギー管理技術が導入されたことで話題になった(記事下の図)。同ビル全体は32%*1の省エネ率を実現。内、約11%がスマートBEMSの省エネ効果によるものだ。

「11年の震災後、電力不足への対応のため、当社の本社ビルでも天井照明の蛍光灯を50%間引きして業務を続けていたことは記憶に新しい。あれから3年が経ったが、ビルの省エネ機運はますます高まっている。省エネによる不自由を感じさせず、快適性を保ちながら、いかに電力消費を抑えるか。こうした要求に応える製品開発や技術開発に力を注いできた」とコミュニティ・ソリューション社 技師長の矢代幸一氏は話す。

工事の省力化や設置機器を減らし、導入のための初期投資を抑える

こうした視点から、BEMSを活用したエネルギー利用の最適化が注目されているのは周知の通り。「スマートコミュニティセンター」のような大規模ビルであれば、オンサイトでスマートBEMSの導入も可能だ。では、中小規模ビルは? 東芝が提案するのは、遠隔省電力サービス「FACiTENA-i™」だ。

遠隔省電力サービスFACiTENA-i™の機能

「中小規模ビルにおいてコスト的にBEMS導入が難しい、契約電力500kW未満のビルオーナーや設計者にも、快適性を犠牲にしない省電力サービスを、管理負担を抑えながら提供する方法はないか。それが『FACiTENA-i™』の出発点だった。東芝のクラウド基盤を活用して、省電力や最適化を遠隔で管理し、省エネを実現しながら快適な環境を持続的に提供するサービスだ。

建物にオンサイトのスマートBEMSを設置しなくても、①現在の電力使用状況の見える化、②空調機、照明器具、全熱交換器などの省エネ運転のための機能提供、③契約電力の上限電力設定値を超えないよう監視・予測して電力使用を抑えるデマンド制御、④電力需要の逼迫時の需要抑制など、クラウドコンピューティングを活用することによって遠隔で省電力サービスを実現する。環境負荷軽減への貢献はもちろん、ビル運用コストを下げ、テナントやビル利用者には快適な環境も提供できる。こうした取り組みの『見える化』は、ビルオーナーには特に好評だ」(矢代氏)。

「FACiTENA-i™」の大きな特長のひとつは、導入に際して大規模な初期投資が不要であることだ。ビルに設置する装置は、クラウドと結ぶ端末と、温度や空調の運転状況を監視するセンサ、制御機器だけ。新規ソフトの購入やサーバーメンテナンスの手間も不要。無線化技術によるワイヤレス化で導入時の配線工事を極力省力化。工事費軽減や工期短縮も可能になる。設置場所も選ばず、省エネ改修時などに合わせて簡単に後付けすることもできる。

「ビル設計者には配線工事が不要な無線化のメリットは大きいと思う。また新築ビルへの採用では、オーナーやテナントに対するデザイン・環境提案で、快適性や省エネ性を訴求することもできるはずだ」と矢代氏。

実証された省エネ効果。ビル省エネ改修の補助金対象にも

クラウドを利用した遠隔監視は、2012年度以降に100件以上の導入実績があり、導入したビル全体の電力使用量は、2011年1〜9月と2013年同時期を比較して約10%の節電効果が認められた。

川崎市のスポーツセンターでは、照明器具を高効率タイプに交換改修する際に、『FACiTENA-i™』を導入し、競技に支障が出ないよう光量を最適化することで、機器とシステムの二つの省電力化の取り組みにより約23%の省エネ効果が期待できる試算値が導き出された。実現すれば2年で投資回収が可能になる計算だ」(矢代氏)。

ビルオーナーや設計者にとって注目すべきは、「FACiTENA-i™」の導入が、ビル省エネ改修の補助金対象であることだろう。平成26年度エネルギー使用合理化等事業者支援補助金交付では、省エネ設備・システム導入支援として、対象経費1/3以内の補助率が設定されていたが、「FACiTENA-i™」のようなエネルギーマネジメント事業者活用の場合、1/2が補助対象となる。国にとってもビルの省エネと電力ピーク対策は急務であり、同様の助成は来年度も継続することが期待されている。低コスト・省力で中小規模ビルの省エネをクラウドでサポートする「FACiTENA-i™」は、今後さらに注目されるだろう。

東芝「スマートコミュニティセンター」
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