“明日”をつむぐテクノロジー special

近未来型のショッピング・エクスペリエンス「IT技術でショッピングに新たな楽しさを」

※記事中の情報につきましては、すべて取材時点のものとなります。
POS業界大手の東芝テックは、ショッピングの楽しさを膨らませる新たなソリューションを開発し、グローバルなファッションイベント「Decoded Fashion Tokyo Summit 2015」に設けられたセレクトショップ「UNITED TOKYO」の仮想店舗にてデモを行った。クラウドやRFIDなどのテクノロジーを組み合わせたソリューションで、近未来型のショッピング・エクスペリエンスを実現する。
石田 貴朗 氏 東芝テック株式会社 Ecoソリューション推進担当 事業本部長付

IT技術の進化は私たちの生活にさまざまな「エクスペリエンス(experience)」をもたらしている。「エクスペリエンス」は「商品やサービスの購入者や利用者が感じるであろうこれまでになかった楽しい体験や感覚」といった意味で使われ、商品やサービスを提供する企業にとって、「カスタマー・エクスペリエンス(CX)」や「ユーザー・エクスペリエンス(UX)」の創出や向上はビジネスの成長を図るうえで極めて重要とされている。

IT技術の活用を通じて新たな「エクスペリエンス」の提供に努めているのが、POS業界大手の東芝テックである。

例えば、紙のレシートの代わりにスマートフォンで電子レシートを受け取れる同社の「スマートレシート」サービスも、ショッピングの新しい「エクスペリエンス」の1つといえるだろう。買い物が楽しくなった、財布がレシートでかさばらずに便利になった、と消費者の評判も良い。

グローバルなファッションイベントでソリューションをデモ

東芝テックはショッピングの新たな「エクスペリエンス」を提案するために、2015年7月9日に東京アメリカンクラブ(東京都港区)で開催されたファッション業界にテクノロジーの導入を促進するイベント「Decoded Fashion Tokyo Summit 2015」*1において、セレクトショップ「UNITED TOKYO」を展開する株式会社STUDIOUS(ステュディオス)の協力のもと、近未来型のエンターテインメント・ショッピングとして次の3システムのデモを行った。

  • (1) 個々の来店客の購入情報を分析し、嗜好に最も近いと思われるレコメンドアイテムをレジでプリントして渡す「パーソナライズ・リーフレット印刷システム」
  • (2) 電子レシート「スマートレシート」の機能をアパレル業界向けに拡張し、購入済みアイテムに合わせた推奨コーディネートをスマートフォンに表示する「オススメコーデ」ソリューション(参考出展)
  • (3) RFID技術を活用した「オススメ商品探索システム」と、レジカウンタに商品を置くだけで会計ができるスマートな会計システム

続いて、それぞれのソリューションを見ていこう。

*1「Decoded Fashion Tokyo Summit 2015」:米Decoded Fashionが主催するファッションイベント。ファッション業界、ビューティ業界、リテール業界、および最先端の技術を持つテクノロジー企業が集い、ファッションやリテールの未来をともに考え創出する場として世界各地で開催されている。日本での開催は今回が初めてとなる。公式サイト:http://www.tokyo.decodedfashion.com
写真1  「Decoded Fashion Tokyo Summit 2015」に設けられたセレクトショップ
            「UNITED TOKYO」の模擬店舗

POSレジ大手メーカーならではのソリューションを提案

(1) パーソナライズ・リーフレット印刷システム

来店客ごとのレコメンド商品がプリントされたパーソナライズ・リーフレット

購入商品や購入履歴を元にして商品をレコメンドするサービスはECサイトでは今や当たり前になっているが、実店舗ではスタッフが口頭で商品を勧めたり共通的なフライヤーを渡す程度にとどまっていた。

東芝テックが開発した「パーソナライズ・リーフレット印刷システム」は、ショップスタッフがレジで商品のタグをスキャンしたのち梱包(袋詰め)を終えるまでの短い間に、POSデータをクラウドに吸い上げ、サイジニア株式会社が提供する高性能なレコメンデーションエンジン「デクワス」に渡してレコメンド商品データを取得し、そのデータをレジの脇に設置したカラープリンタでプリントするソリューションである(写真2)。「ショップ店頭でのレコメンドはおそらく前例がないと思っています」(石田氏)。

来店客が会員カードやポイントカードを持っていれば、ECサイトを含む購入履歴も交えながら、より精度の高いレコメンデーションが提供できるだろう。ただし、そうした履歴を持たない来店客に対しても、購入した商品や来店客の属性(性別や年齢層)を元にレコメンドは十分に可能であり、自宅に帰ってリーフレットを見た顧客がショップのECサイトに進むような動線が期待できる。

(2)「スマートレシート」技術を拡張した「オススメコーデ」ソリューション(参考出展)

一部のスーパーマーケットで実用化が始まっている「スマートレシート」をアパレル業界向けに拡張したソリューションで、購入済み商品をしまっておく「仮想クローゼット」を設けた点が特徴である(写真3)。

ユーザーは仮想クローゼットからアイテムを取り出して、過去に購入した商品のサイズや色を確認したり、コーディネートメニューからお勧めのコーディネート情報を得て、ECサイトや実店舗でショッピングを楽しむことができる。前述の「パーソナライズ・リーフレット印刷システム」の電子版に似た位置付けといえるだろう。

最近では、アパレルショップとカフェ、あるいは、アパレルショップとコスメショップなどが併設される場合も多く、それぞれが電子クーポンを発行したり、ファッションとコスメとをコーディネート上で組み合わせる、といった販促も展開できる。

写真3 「スマートレシート」と「オススメコーデ」ソリューション

(3) RFID技術を活用した「オススメ商品探索システム」およびスマートな会計システム

レーダーのようなハンディ装置を使って、商品の陳列棚まで誘導

アイテムにRFIDタグを装着しておくとさまざまな活用が可能になる。「オススメ商品探索システム」はレーダーのようなハンディ装置を使って、商品の陳列棚まで来店客を誘導するソリューションだ。RFIDの電波が届く範囲に限られるが、ゲーム感覚でショッピングを楽しむことができる。また、ショップスタッフがバックヤードで商品を探し出すときにも有用だ(写真4)。

スマートな会計システムはレジ台に商品を置くだけで商品のスキャンが完了するソリューションである(写真5)。一つひとつのタグをバーコードで読み取る必要はなく、複数の商品をレジ台に載せるだけでよい。来店客を待たせなくても済み、先進的なショッピング・エクスペリエンスを提供できる。

写真5 RFID技術を活用してレジでのスキャン操作を不要にしたスマートな会計システム

もちろん、商品にRFIDタグを付けておけば棚卸しの迅速化および効率化も図れる。

RFIDは数年前に一度ブームになったが、その後も複数商品の同時スキャン精度の向上など地道な技術改良が進められており、棚卸しの効率化などを目的に実用化が始まっている。

新たなエクスペリエンス創出に
ショップ側も期待

今回の「Decoded Fashion Tokyo Summit 2015」でのデモに協力した「UNITED TOKYO」のショップスタッフは、東芝テックの新しいソリューションに対して次のようにコメントしている。

「レジでピッピッという電子音とともに商品のバーコードをスキャンしたり、昔ながらの紙のレシートを渡すスタイルは、ショッピングを楽しまれていたお客様をその瞬間に現実に引き戻してしまうことになり高級感を演出できません。ショッピングで非日常の楽しさを演出しようとする東芝テックのソリューションには可能性を感じており、なかでもスマートな会計システムやスマートレシートの導入は前向きに検討したいと考えています」

今回のデモはわずか1日の期間限定で行われたが、東芝テックではそれぞれのソリューションの特徴や顧客にもたらすショッピング・エクスペリエンスの魅力を、アパレル業界をはじめとして広く訴求していきたい考えだ。

来店客にとってはショッピングの楽しみが増えるとともに、ショップ側にとってはリピート率の向上やECサイトとの連係強化も期待できる東芝テックのソリューションが、新たなエクスペリエンスを実現する。

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