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東芝の独自技術「ルネキャット(R)」国内シェア9割! 魚移送機トップメーカーの臭いの悩みを払拭した画期的な技術

※記事中の情報につきましては、すべて取材時点のものとなります。
東芝の先端技術が生み出した画期的な光触媒「ルネキャット」。その優れた消臭・除菌効果は、さまざまな事業所や事業現場の快適・衛生的な空間づくりに役立てられている。徳島県の共栄造機の導入事例を紹介する。

東芝の「ルネキャット」は、可視光応答型の光触媒だ。紫外線がなければ反応しない従来の光触媒とも、原因物質を包み込むことで臭いを消す一般的な消臭剤とも異なり、室内の照明の光にも反応して、臭いの元を炭酸ガスと水などに分解し、除菌効果も発揮する。壁紙、天井などに一度塗布すれば、水拭きを繰り返さない限り、効果が持続する。従来品とは一線を画す、東芝ならではの技術だ。

改装工事を機に発した刺激臭を解消

世の中になかったものを生み出すには、新しいものへの興味が大事。新しい技術も試してみることが一番の策だと思います。 鷲野 和美 氏 共栄造機 取締役
世界に先駆け魚移送機を開発した共栄造機。東日本大震災後、東北の漁港にも納品。現在、東北で水揚げされたサンマはほぼすべて、同社のフィッシュポンプを経由しているという。砕氷装置やシラスなどの小魚、クラゲの移送ポンプ、魚をサイズごとに仕分ける魚体選別機なども次々に開発。「世の中にないものを生み出す。当社のポリシーです」(鷲野氏)

ルネキャット」の優れた消臭・除菌効果を、工場事務所棟の快適な環境づくりに活用しているのが、徳島県松茂町の共栄造機。サンマやサバなどの魚を傷つけることなく吸い上げ、大量移送する装置、フィッシュポンプを、1964年、世界に先駆けて開発したメーカーである。

人力で何時間もかかっていた水揚げ作業が省力化されること、魚の鮮度が保たれ高値で取引されるようになる点などが好評を博し、今では国内のシェアは約9割。ロシアや米国、韓国などにも機械を納めている。近年はサバの切り身や、梅、ショウガなどの農産物に関する相談にも対応する。「水に潰けられる固形物なら、移送は可能」と、取締役の鷲野和美氏が話す。

同社が異臭に悩まされるようになったのは2015年春。事務所棟を全面改修した際、奥にある工場との1階連絡扉付近に、何とも言えない臭いが漂い出したという。

「その付近は以前トイレがあったこともあり、それが関係しているのではないかと調査したのですが、下水配管などの処理は適切で、異臭の原因は不明。一過性のものと判断し工事を継続しました。しかし、完成後も異臭は収まらなかった」

「何とか臭いを消そうと、換気扇を24 時間まわしても、消臭剤を大量に使っても効果がない。特に雨の日は離れたデスクにいても臭いが感じられました」

連絡扉付近に設けた会議スペースも、ほぼ使用されることがなかった。

ルネキャット」を知ったのは、完成の2カ月後。消臭法を模索していた施工業者の提案による。試せるものは何でも試してみようと、すぐ採用を決め、休日を利用して施工してもらった。施工に立ち会い、ローラーで塗布する簡単な作業を見て、本当にこれで効果があるのか不安もあったというが、「気づくと臭いを感じることはなくなっていた※」という。

「連絡扉は、従業員が必ず通る場所ですが、気づくと誰も臭いのことを口にしていなかった。半年たった今でも無臭なので、効果が持続していると思います」

効果の高さから、現在は食堂やトイレへの展開も考えている。

※個人の感想です

世界に誇るものづくりを陰で支える優れた効果

「異臭のせいで、改修の完成を喜んでくださるお客様を、新しい事務所に堂々とご案内できなかった点も残念でした」と話す鷲野氏は、父であり社長である井河義幸氏の後継者。「父の、ものづくりへの思いと姿勢を長く伝えていきたい」との考えから、3年前に取締役に就任した。今回の改修工事は、鷲野氏の願いと覚悟が込められたものでもあっただけに、異臭騒ぎで一旦がっかりした気持ちを、「ルネキャット」によって前向きに戻すことができたと語る。

「新しいものには挑戦しようというのが、私たちの精神です。やってみて、ダメならまた考えよう。そうして父も新しい機械を開発し続けてきました。新しい光触媒である『ルネキャット』も採用に迷いはありませんでした」

進取の気性に富むものづくりのプロが、「ルネキャット」に手応えを得ている。

塗布するだけ※1で、消臭・除菌効果が長期間※2持続

光触媒とは、光に反応して酸化力が生じ、接触した有機物などを分解除去する機能をもった物質のこと。

東芝は電球のフィラメントとして使用されていたタングステンについての、100年以上の研究の蓄積とナノ粒子化技術により、酸化タングステンを原料としたまったく新しい光触媒「ルネキャット」を開発した。

ルネキャット」は、紫外線はもとより低照度環境の室内の光※3でも、光が当たることで表面に強い酸化力が生じ、そこに触れた「生活臭の原因物質」を分解。分解された分子は空気中の酸素などと結合し、炭酸ガスと水などに変化する。臭いの原因物質の分解のほかに、除菌効果も発揮する。

さらに、ナノレベルの粒子が布製品や壁紙などの表面に入り込むため、施工面の耐久性が高く、塗布した場所を洗い流したり、こすり落とさない限り、効果を発揮し続ける。

※1 粒子が露出する面に菌・臭いの原因物質が当たった際、除菌・消臭効果を発揮します。空気中の全ての有害物質を除去するわけではありません。効果は、空気の対流状況によります。※2 「ルネキャット」が残留している限り、効果は持続。内装壁・壁紙に塗布した場合、約500回の乾拭きで9割以上光触媒が残存、消臭効果を維持(東芝マテリアル実験)。※3 光の照度は250ルクス程度必要。※ルネキャットは、経口毒性、皮膚に触れたときの皮膚一次刺激性、アレルギー性など、光触媒工業会の安全評価基準をすべての項目において満たしています。
※本コンテンツは、日経アーキテクチュア2016年3月10号に掲載された記事広告を転載しています。
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