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室内光でも光触媒の効果を実現「空気質を改善する吹き付け材快適な住まいの提供に活用を」

※記事中の情報につきましては、すべて取材時点のものとなります。
※本記事は、「日経ホームビルダー」2015年3月号からの抜粋です。
東芝が室内用の吹き付け材を売り出した。可視光応答型光触媒「ルネキャット」である。汚れ防止目的で外壁に使われる光触媒と違って、可視光応答型の名の通り、可視光や室内照明の光でも触媒として働き、消臭や除菌などの効果を発揮するのが特徴だ。より快適な住まいの実現に向けて、新築やリフォームの内装仕上げに採用することを提案してみてはどうだろうか。
ルネキャット施工液

住まいの快適性があらためて問われている。2020年をめどに省エネ基準への適合が義務化されれば、温熱環境という観点から一定の快適性を提供することが求められる。

住まいの快適・不快は、居住者の健康・不健康になって表れる。代表例として注目されるのは、ヒートショック。温熱環境の悪さによる不快が、健康被害をもたらす。

快適な住まいを提供し居住者の健康を守るという観点からは、空気質の改善にもあらためて目を向けたい。空気清浄器や消臭剤などが定番商品化した点から分かるように、除菌・消臭剤は、生活者のニーズが高い。

東芝の可視光応答型光触媒「ルネキャット」は、そうしたニーズに家づくりの側から応えることのできる内装用の吹き付け材だ。空気質に関しては建築基準法で一定の対策が取られているが、住宅供給者ができることはまだ残されている。

この光触媒という商材は一見すると電機メーカーとして知られる東芝と結び付けにくいが、そこには、同社ならではの独自の技術が生かされている。

吹き付けの下地を選ばず、一度の施工で効果持続

ポイントは、白熱電球で光を放つ部分に使われるタングステンという金属の改良技術である。可視光応答型光触媒の機能を持つその酸化物が効果を持続的に発揮するように結晶化を試み、その量産に成功したことで、「ルネキャット」は生まれた。

最大の特徴は、可視光や室内照明の光でも光触媒としての機能を発揮する点だ。汚れ防止目的で外壁に使われる酸化チタン系の光触媒は、一般的に紫外線など波長の比較的短い光に応答するのに対し、酸化タングステン系の光触媒はより波長の長い可視光や蛍光灯の光にも応答する。

光触媒の強い酸化力で分解・除去するのは、臭いの元となる有機物などである。内装やインテリアに吹き付けると、その表面に付着したこれらの有機物を分解し空気中の酸素と結び付け、二酸化炭素と水に生まれ変わらせる。また除菌の役目も果たす。

しかも一度施工すれば、酸化タングステンの結晶が吹き付け面に塗膜をつくるので、効果は一定程度持続する。エタノールなど薬剤を用いた除菌や市販の消臭剤が使用時にだけ効果を発揮するのとは異なる。

吹き付け可能な下地は、木、土、紙、布、と幅広い。クロス、無垢材、塗り壁など、一般的な住宅で用いられる下地材であれば、十分に対応可能だ。

施工の様子

ペットと暮らす家では臭い対策の提案可能に

吹き付け面に付着した臭いの原因物質だけを分解するとはいえ、室内の空気は絶えず動いているので、空気質全体の改善につながる。可視光応答型光触媒「ルネキャット」を内装やインテリアに吹き付けることが、快適な住まいの提供に役立つわけだ。

戸建て住宅をはじめ、消臭・除菌が強く求められる高齢者や子どもの施設、医療施設、ホテルなど、さまざまな用途の建物で採用済みだ。高齢者の入居する介護施設で採用したところ、居室では施工後3日前後で効果が表れ始め、室内の臭いが気にならなくなったという。

住宅でも臭い対策で威力を発揮しそうだ。ペットと暮らす家を新築・リフォームする場合、また賃貸住宅で入居者が入れ替わる場合、内装やインテリアに「ルネキャット」を吹き付け施工すれば、居住者に喜ばれること請け合いだ。

想定通りの効果を上げることができるように、「ルネキャット」の吹き付け作業は、一定の施工教育を修了した認定作業者が、東芝の定めるコーディネーターの管理の下、担当する仕組み。自社で提供する商材として「ルネキャット」を取り入れるにはまず、施工教育を受ける必要がある。

住まいの新築やリフォームなどの場面で快適や健康の提供がこれまで以上に求められる中、空気質の改善に住宅供給者がさらに一歩踏み込むことは、自社商品の価値を高めるに違いない。

価値向上による競争優位を築くためにまず、認定作業者を目指してはどうか。

大きな空間でも採用済
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