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Case Study | 月桂冠 倉庫管理に東芝の「LADOCSuite」を採用3000パレット/日の出荷作業の効率化を実現

※記事中の情報につきましては、すべて取材時点のものとなります。

導入の効果
運用のフレキシビリティと倉庫業務の効率化を実現

業務フローの一部変更や入念な現場運用テストを経て、「LADOCSuite」で構築した新WMSは2015年4月に稼動を開始した。「最初の数日はどんなトラブルが出るかも分からず泊まり込みも覚悟していましたが、細かいトラブルはあったものの特に問題になるようなことはなく、とてもスムーズにシステムの切り替えが完了しました」と林氏は振り返る。

新システムは、配車計画に始まって、当日の車両受付(バース状況)(図3)、ピッキングや積込検品(図4)までの一連の進捗が画面上から簡単に把握できるようになったなど、さまざまな効果をもたらしているという。先入れ・先出しの逆転の防止やトレーサビリティの精度向上も図られた。また、トラックの到着がなんらかの理由によって遅延した場合でも、配車の組み替えが簡単にできるようになった。

ピッキング指示の効率化などによって積み込み完了までの時間も5分ほど短縮され40分程度で済むようになった。「わずか5分の短縮ですが、日本酒の出荷が増える10月から12月の繁忙期にはとても大きな意味を持ってきます」と福井氏は効率アップを評価する。実際に1日当たり100台のトラックをさばくとすれば、最大で延べ500分も短縮できることになり、効果は大きい。

図3 「LADOCSuite」で待機バースの待ち状況、積込バースの作業状況を一元管理
図4 ピッキングや積み込み処理の効率化を実現

今後の展望
清酒の復権を目指した取り組みが続く

ところで、日本酒(清酒)は日本で古くから造られてきた歴史を持ち「國酒」(こくしゅ)の1つにもなっているが、その国内消費量はピークのおよそ1/3にまで減少しているのが実情だ(国税庁「酒のしおり」)。月桂冠を含む酒造メーカーは新商品の開発や飲み方の提案などさまざまな市場開拓を進めており、減少傾向に歯止めが掛かった感はあるが、国内消費量を大幅に回復するまでには至っていない。

そうした厳しい市場状況を踏まえると、最大手の月桂冠においてもさまざまな業務の更なる効率化が急務となっており、倉庫業務および物流業務に関しては今回導入した東芝の「LADOCSuite」を軸に取り組みを進めていきたい考えだ。

例えば、メガネ型ウェアラブル端末を使ってピッキングすべき商品を視界に映し出すなどして、倉庫業務の効率化を図る案などが考えられる。IoT(モノのインターネット)を使った倉庫環境の見える化なども有効だろう。

「今回のWMSの刷新では東芝の『LADOCSuite』を選んだことで大きな効果を上げることができました。東芝には今後もさまざまな提案を期待しています」と福井氏は述べている。

日本酒がブームとなっている海外への販路拡大を進めながら、日本国内での日本酒の復権を目指す月桂冠のこれからの取り組みが注目される。

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企業情報

月桂冠 株式会社
●創業:1637年(設立:1927年5月)
●従業員数:456名(2015年4月1日現在)
●売上高:279億円(2014年度)
●本社所在地:京都府京都市伏見区南浜町247
●URL: http://www.gekkeikan.co.jp
●事業内容:清酒、本格焼酎、リキュール類の製造販売、ビール、ワインの輸入販売
月桂冠 株式会社
日本を代表する酒造メーカーの1社で、創業370年以上を数える老舗。伝統を守りながらも四季醸造技術を業界に先駆けて開発するなど、酒造りに科学技術を積極的に導入していることでも知られている。近年は清酒だけではなくリキュールや焼酎の製造も手掛けるほか、ドイツビール、ドイツワイン、フランスワインなどの輸入も行っている。
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