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特集2017年10月30日公開

ITpro EXPO 2017 レポート

パナソニックが働き方改革を支援レッツ

樋口社長講演&働き方改革支援ソリューションを展示

2017年10月11日から13日にかけて、東京ビッグサイトで開催されたITpro EXPO 2017。その初日に、パナソニック代表取締役でパナソニック コネクティッド ソリューションズ社の社長を務める樋口泰行氏が、働き方改革をテーマにした講演を行った。日本マイクロソフトなどを経て25年ぶりにパナソニックに復帰した同氏は、日本企業における働き方改革の課題はどこにあると考え、そこから脱却するには何が必要と語ったのか? また、ブースにおいてもオフィスと現場、それぞれの働き方改革を支援するためのソリューションが展示され、常に人で溢れかえっていた。講演とブース、双方の模様をレポートする。

働き方改革の課題を5つの観点から指摘

  樋口氏は大学新卒でパナソニック(当時:松下電器産業)に入社。いったん同社を離れたが、2017年4月、日本マイクロソフトの会長から、主にBtoB製品を手掛けるコネクティッドソリューションズ社の社長に転身。25年ぶりに古巣に復帰した。講演ではまず、パナソニック創業者の松下幸之助氏が日本で初めて同社に週休2日制度を導入したことを紹介。その上で、「パナソニックを離れていた間、主に外資系企業で経験を積み、経営の近代化では外資が一歩先を行っていると感じる。弊社も含め、日本企業はまだまだ頑張らなくてはならない」と述べ、働き方改革の必要性を強調した。

パナソニック株式会社 代表取締役専務執行役員 コネクティッドソリューションズ社 社長 樋口泰行氏
パナソニック株式会社
代表取締役専務執行役員
コネクティッドソリューションズ社 社長
樋口泰行氏

 樋口氏は、働き方改革を進める上で日本企業が抱える課題を5つの観点から指摘した。まずは「戦略」である。どれだけの付加価値やイノベーションを生み出せるかは戦略にかかっている。今は技術力よりもビジネスモデルが優れている者が市場を制するため、そこにもっと敏感になり、戦略を固めていく必要がある。

 2つめは「アウトプット志向」。日本では上司の前で長時間労働をした人が認められる傾向がまだある。それを、アウトプットを出した人が認められるよう転換しなくてはならない。

 3つめは「階層」。日本では若い人は上司がいると黙ってしまうし、上司の指示待ちをする傾向も強い。年齢・性別・役職に関係なく思ったことをぶつけられる環境が求められる。

 4つめは「仕事内容」。会社の歴史が長くなるほど、足し算で内向きの仕事が積み重なっている。誰かが英断を下す、あるいは仕事の「見える化」をしないと引き算ができない。

 最後が「横連携」だ。今や1つの事業体や部署だけでは売れる商品は開発できない。様々な組織が横連携して顧客のニーズを組み合わせたり、ソリューションに仕立て上げたりしなくてはならない。

 こうした課題を挙げた上で樋口氏は、「日本企業は言語・文化の壁や市場・顧客の特殊性などガラパゴス的な面で守られてきた部分も多いが、今や競争の境界もなくなっている」と指摘。さらに、欧米企業に対するベンチマーキングの不足やステークホルダーから経営者へのプレッシャーが低いことによる構造改革の遅れや、内需縮小や新興国の台頭、ボーダレス化やミレニアル世代への対応からも、「変革は待ったなしだ」と強調した。

特別講演の会場は400名の聴衆で満席となった。
特別講演の会場は400名の聴衆で満席となった。

働き方改革を支援するソリューションを提供

 これらの課題を解消し、働き方改革を進めていくにはまず、削減すべき業務を明確にして優先順位の低い業務はどんどん削減し、重要な業務に集中することが必要というのが樋口氏の考え。それに貢献するものとして、パナソニックでは場所を問わないワークスタイルを支援する多角的なソリューションを提供していく。

 例として、パナソニックが開発した、PCの使用時間と利用アプリを可視化する「Viewサービス」を紹介。さらにこのサービスと、PCのカメラで脈拍とストレスレベルを推定して社員の健康管理に役立てる「ストレスチェックサービス」や、無線通信時にも途切れにくくして快適なテレワーク環境を実現する「ソフトウェア型VPNサービス」、電源OFFでもモバイルPCのHDD/SSD内にあるデータの遠隔消去を可能にして情報セキュリティを強化する「HDD/SSD遠隔データ消去サービス」を合わせ、自社のモバイルPC「レッツノート」や他社製PCで活用できる「働き方改革支援サービス」を提供していくと樋口氏は語った。なお、「働き方改革支援サービス」については、ブースレポートで詳細に解説する。

●パナソニックが新たに提供していく「働き方改革支援サービス」
モバイルPC開発で培ってきた技術を活かして、多角的なソリューションを提供していく。
モバイルPC開発で培ってきた技術を活かして、多角的なソリューションを提供していく。

他社をベンチマークして刺激を受けることが大事

 講演に続いて、樋口氏と、ナビゲータを務めた日経BPイノベーションICT研究所 所長の桔梗原富夫氏による対談が行われた。

 樋口氏は、日本マイクロソフト時代に同社の働き方改革に取り組み、成功に導いた実績がある。成功の理由を問われた樋口氏は「アメリカ本社からの働きかけがあった」と回答。客観的に「効率が悪い」と言ってもらわなくては気づけないこともあるため、時にはある種の“外圧”も必要だと説いた。さらに、パナソニックでの働き方改革にもマイクロソフト時代の経験が活きているが、従来の社内文化との折り合いをどうつけるかも常に考えているとし、他社でもそこを念頭におかず一足飛びに改革を実現しようとしてもうまくいかないだろうと述べた。

 働き方改革の難しさとして、改革を実現するには「人事制度」「マインドチェンジ」「ICT活用」「ワークプレイス改革」の全てを同時に実現しなくてはならないが、テーマごとに担当部署が分かれているケースが多いのがネックになっていると樋口氏は見る。それを乗り越えるためには「全員の合意を取るのではなく、トップダウンで強制力を発揮しなくては進まないこともある。最初は反発があってもやってみると『いいね』となる」として、経営者のコミットメントやリーダーシップの重要性を説いた。

講演の後半は、日経BPイノベーションICT研究所 所長の桔梗原富夫氏との対談が行われ、働き方改革推進における企業の姿勢などが語られた。
講演の後半は、日経BPイノベーションICT研究所 所長の桔梗原富夫氏との対談が行われ、働き方改革推進における企業の姿勢などが語られた。

 一方で、働き方改革ではテレワークが注目されるが、樋口氏はその重要性を認めつつも「ただし一番効率が良くインパクトも与えられるのはやはりフェイス・トゥ・フェイス」と断言。その最大化を基本にしながら、介護や育児などの理由でテレワークをしたい人にそのオプションを設けることが大事だと語った。VRなど新たなICTの進展により、テレワークでも実際に目の前に相手がいるかのようなコミュニケーションが取れるようになることにも期待する。また、AIについては、人間の仕事のある程度の部分を置き換えるだろうが、むしろ人間にしかできないことに集中できると前向きに考えるべきだと語った。

 さらに、働き方改革の成否のカギを握るダイバーシティについては、パナソニックでは採用の8割が女子学生の少ない理系だったこともあり、やや遅れがあると認めた上で、「ダイバーシティに鈍感な会社は世の中の変化にも鈍感。弊社でも一切の言い訳なしに推進していく」と決意を表明した。

ICTの進展とともに新たな働き方が可能になると語った樋口氏。
ICTの進展とともに新たな働き方が可能になると語った樋口氏。

 最後に今後、働き方改革に取り組む企業へのメッセージとして、「自戒も含めてだが、社内の常識が世の中の非常識ということもある。そのため社内だけで考えるのではなく、他社をベンチマーキングして刺激を受けることが大事」と強調。コネクティッドソリューションズ社も2017年10月に本社を大阪から東京に移したことから、より情報収集に力を入れていくと述べて話を締めくくった。自身の経験談も交えた説得力のある内容に、約400人の聴衆も大いに刺激を受けた様子だった。

※記事は執筆時の情報に基づいており、現状と異なる場合があります

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