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企業ブランド強化、GEヘルスケアの組織論

グローバル時代における企業や組織の成功要因としてダイバーシティ&インクルージョンが注目されるようになった。多国籍コングロマリット企業であるゼネラル・エレクトリック(以下、GE)のグループ会社ともあれば、そうした取り組みはとうの昔に実践済みなのだろうと考えがちだ。しかし「まだ道半ばです」と明かすのは、GEヘルスケア・ジャパンである。ダイバーシティ&インクルージョンにはこれが正解といえるような道はなく、常に試行錯誤の連続だったという。そうした試行錯誤を経てカルチャー変革が成し遂げられた。

今のGEを取り巻く事業環境は「VUCA」の状況

 GEのグローバル事業部門としてヘルスケア・システム(画像診断装置)、ヘルスケア・デジタル、ライフサイエンスを手がけ、全世界で約5万4000人の従業員を擁するGEヘルスケア。その日本法人として1982年に設立されたのがGEヘルスケア・ジャパンだ。北海道から沖縄まで全国60カ所に営業・サービス拠点を展開し、従業員数は約2000人。売上高は1391億円(2017年12月期)に達している。

 だが、盤石と思えるGEヘルスケア・ジャパンといえども、過去からの延長線上で将来の成長戦略を描くことはできない。同社の人事本部長の桜庭理奈氏は、「『人生100年時代』と呼ばれる中で超高齢社会における医療課題解決を図っていくために、どのようなイノベーションを起こし事業ポートフォリオを変えていけばいいのか、日々議論を重ねています」と話す。そして、「今の私たちを取り巻く事業環境はひとことで『VUCA』の状況にあります」と危機意識を示す。

 VUCAとは、もともと1990年代に米国の軍事領域から派生したもので、Volatility(もろさ)、Uncertainty(不確実さ)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(不明瞭さ)の頭文字を集めた言葉として用いられている。

 この混沌とした時代においても進化する会社であり続けるために、GEそしてGEヘルスケア・ジャパンは、次なるチャレンジとして考え方&働き方の多様性(Thought Diversity)と社員&会社の成功とを結びつけるカルチャー変革に踏み出したのである。