
エンジン車から電気自動車(EV/BEV)へのシフトを背景に、リチウムイオン系バッテリの需要は急拡大を続けている。世界経済フォーラムは、新車に使われるバッテリの総容量は、2018年の142GWhから2030年には2,333GWhにまで増えるとの見通しを示している。
当然ながら、いずれは同等の容量の中古バッテリが発生することを意味し、その循環利用が課題になっている。
「自動車産業ではCASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)に対応するために企業や産業をまたがった協業が進んでいるように、バッテリの循環利用に関してもさまざまな企業や産業を巻き込んだ動きが出始めています」と述べるのは、アナログ・デバイセズの池本月之輔氏だ。
例えば、大量の中古バッテリを用いた電力貯蔵システムの構築や事業化がその一つで、再生可能エネルギーの平準化や系統連系による電力供給能力の調整役として期待されている。その他にもリユースやリサイクルのビジネスが生まれつつある。
すなわち、自動車産業にとどまらず、電力インフラ、エネルギー・マネージメント、バッテリ・ライフサイクル・マネージメントなど、さまざまな産業へと裾野が広がりつつあるのが現在の状況と言えるだろう(図.1 中央)。