なぜ多くの日本企業は
DXに手応えを感じられないのか?
もはやDXは、企業にとって「やるのが当たり前」の取り組みとなりつつある。実際、日本でも大企業の大半がデジタル変革を推進しており、その波は中堅・中小企業にも広がっている。だが、自社のDXが「うまくいっている」という手応えを感じている経営者は、案外少ないようだ。
「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が発表した『DX白書2023』によると、DXに取り組んでいる日本企業のうち、「成功している」と答えた企業は23%にとどまっています。米国の69%に比べるとかなり低く、せっかく取り組んでいるのに満足のいく効果が得られていない企業が多いことを示しています」
そう語るのは、ServiceNow Japanの藤岡 恵氏だ。

ソリューションコンサルティング部
シニア・アドバイザリー・
ソリューションコンサルタント
藤岡 恵 氏
一方、同白書の調査では「デジタルによる業務効率化」、いわゆる「『デジタライゼーション』に成功した」と答えた企業は8割近くに上っている。
「DXが成功した」という手応えを感じられないのは、デジタライゼーションによって仕事のデジタル化は進められたが、「業績の拡大や企業価値向上に結びついている」という実感につながっていないからだろう。
その大きな原因の一つとして、藤岡氏は「DXが顧客価値の最大化に結びついていない」ことを挙げる。
「まずは、『DXの成功』とは、どのような状態を言い表すのかを考え直す必要があります。企業によって理想の状態は様々だと思いますが、共通するのは『お客様に満足していただくこと』ではないでしょうか。それが実現できていないので、成功の手応えを実感できないのだと思います」
では、なぜ多くの日本企業のDXは「顧客価値の最大化」に結びついていないのか? 藤岡氏は、「市場環境やお客様の要求の変化に対応が追いつかないことや、最初に立てた目標が、サイロ化された部署ごとに計画・実行されていくうちに別のものに変わってしまうことなどが原因として考えられます」と説明する。
そんな課題の解決策として、藤岡氏が導入を提案するのが「バリューストリームマッピング」という管理手法だ。具体的には、どのような手法なのか?