1台のクルマに搭載されるカメラ台数やディスプレイ・パネル枚数の増加に伴い、自動車メーカー(OEM)で、アナログ・デバイセズの「GMSL」の採用が進んでいる。
GMSLとは、デジタル映像信号を高速なシリアル信号に変換して伝送するアナログ・デバイセズ独自のテクノロジーである。誕生したのは2000年代後半で、すでに15年以上の技術的な蓄積と市場での実績を誇っている。
「カメラやディスプレイ・パネルとECUとを結ぶハーネスの軽量化や低コスト化が実現できるメリットが評価され、2023年上半期の時点で世界25社以上のOEMに採用されています」と、同社でGMSL関連のソリューションを担当する江口慶亮氏は述べる。
GMSLでは軽くてしなやかな同軸ケーブル、またはシールド付きツイストペア(STP)ケーブルを使う。パラレルでの伝送とは異なり、ハーネス両端に端子数の多いコネクタを装着する必要もないため、配策やコネクタ嵌合の作業負荷も減らせる。一般的な車載対応の同軸ケーブルを使う場合、おおよそ15mほどまで対応可能だ。
ビットレートは第2世代品のGMSL2の場合で最大6Gbpsと高く、フルHD(1920×1080)や2K(2048×1556)の信号も余裕をもって伝送できる。また、GPIO、I²C/UART、SPI、Audio I²S、Ethernetといった信号をサイド・チャネルとして同時に伝送できるのも特長で、例えばディスプレイのタッチセンサー情報などを、ハーネスを追加せずに送ることができる。