コロナ禍で大きな打撃を受けた旅行業界。その危機から立ち直り、新たな成長に向けて力強い歩みを進めているのがJTBである。
「インターネットの台頭からコロナ禍前まで、旅行業以外のビジネス領域の拡大を模索してきました。とはいえ収益のほとんどは従来型の旅行業に頼り切っていた中で、2020年のコロナ禍による人流のストップは、当社の経営に甚大なダメージを与えました」と語るのは、JTB常務執行役員CIO CISOの黒田恭司氏だ。
会社存続の危機に陥る中、あらゆるコスト削減を実施した。国内店舗の4分の1に当たる115店を廃止、人員の2割削減、本社ビル、大阪オフィス売却など、打てる手はすべて打った。それでも危機は続き、2021年3月期の最終赤字は1000億円を超えた。
「危機が去った後も、旅行市場の回復には一定の時間がかかるという予測から、2029年に向けて構造改革を開始しました。そして、改革のためには、デジタル基盤の再構築とDXの推進が不可欠でした」(黒田氏)