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デジタル変革の新たな伴走者 ベトナムIT産業の底力デジタル変革の新たな伴走者 ベトナムIT産業の底力
Vol.5 FUJINET SYSTEMS JOINT STOCK COMPANY

モットーは忠実・努力・改善、中長期の視点で顧客に応える
顧客の「声」を経営に反映、着実かつ持続可能な成長を重視

FUJINET SYSTEMSは20年以上にわたって日本企業にオフショア開発サービスを提供するベトナムIT企業だ。欧米企業から声がかかることもあるが、強みとする日本向けに専念することで着実に成長を遂げてきた。現在の事業状況や、日本向けビジネスに強くこだわる理由などについて、同社のグエン・ダン・フォン代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)に聞いた。(聞き手は大和田 尚孝=日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長)

グエン・ダン・フォン氏

FUJINET SYSTEMS JOINT STOCK COMPANY
代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)
グエン・ダン・フォン

——日本向けのオフショア開発に注力する理由を教えてください。

 私を含め当社の幹部は皆、日本企業での勤務経験があります。そのため、日本企業の考え方や仕事の進め方、日本での商習慣を理解していると自負しています。

 日本企業とお付き合いする上で重視しているのが「忠実」「努力」「改善」の3点です。我々は、これらの大事さを日本から学びました。

 「お客様に感謝し、中長期的な関係を築くことが重要である」、ということも日本で学んだことです。我々はこれらを実践し、日本のお客様と共に成長していけたらと考えています。

 欧米企業からも「オフショア開発を請け負わないか」と打診されることがあります。しかし欧米企業の場合、一度仕事を受注して成功したとしても、その後に優先して発注してもらえるわけではありません。日本企業の場合、一度プロジェクトに成功すれば、中長期的に良好な関係を築けます。

 我々はこのような人と人とのつながりを大事にしたいと思います。その方が、我々と発注くださった日本企業の双方がハッピーになり、関わる全ての人たちの人生が楽しくなるのではないかと考えているのです。

IT大手としては珍しく
南部に本社を構える

——現在の事業規模を教えてください。

 現在の従業員は750人強で、そのうち650人が技術者、50人が通訳、50人がバックオフィスです。24年前に創業し、最初は毎年20%ペースで人員を増やしてきましたが、2015年ごろからは少しペースを落として10〜15%ずつ増やしていました。新型コロナウイルスが流行した影響で日本向けのオフショア事業の拡大が止まったため、2020年ごろから人員は横ばいです。

 ただし今後は需要が拡大すると見ています。日本はさらに高齢化が進み、IT人材は確実に不足するでしょう。チャイナリスクの影響で、中国へのオフショアを避ける企業も増えるはずです。そういったことから、今後当社のオフショアの受注が増えると考えています。

——日本向けオフショアを手掛けているベトナム大手IT企業は北部の首都ハノイに本社を構えるケースが多いですが、FUJINET SYSTEMSは違いますね。

 ええ、ベトナム南部の最大都市ホー・チ・ミンに本社があります。当社は日本向けオフショア事業の規模において、ベトナムでトップ10に入っていますが、南部に本社があるのは珍しいです。その分、南部では存在感があると思います。

 日本への留学者は北部出身者が多いので、日本語に強い人材は北部の方が集めやすいかもしれません。ただし、親日感情が強いのは南北共通です。南部の人も日本向けの業務に関わることを喜びます。当社は、ベトナム南部の人材と日本をつなぐ架け橋になれたらと考えています。

 2019年には中部の都市クイニョンにも拠点を開設しました。北部や南部の都市部は人材獲得競争が激化しており、人件費も上がってきているため、その対策として中部での展開を始めました。

 東京にも子会社を持っています。ベトナムから技術者を派遣しているほか、日本の大手IT企業を早期退職した人材を雇うなどしています。日本人社員は、過去に培った人脈を生かしての営業業務などで貢献してくれています。

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