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デジタル変革の新たな伴走者 ベトナムIT産業の底力デジタル変革の新たな伴走者 ベトナムIT産業の底力
Vol.6 VTI

国内限定の案件も受注OK、
ベトナムIT企業VTIの「ニアショア」活用戦略

VTIは首都ハノイに本社を構える、2017年創業のベトナムIT企業だ。新興でありながら、日本の大企業からシステム開発を連続で受注するなど急激に成長を遂げている。既に東京に拠点があるが、日本からのさらなる受注拡大を目指し、2024年4月に「ニアショア開発センター」を福岡市に開設した。ニアショアに取り組む理由や、福岡に拠点を置くメリットなどについて、同社のグエン・テェ・マン開発部部長ニアショアプロジェクトディレクターに聞いた。(聞き手は大和田 尚孝=日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長)

グエン・テェ・マン氏

株式会社VTI
開発部 部長
ニアショア プロジェクト ディレクター
グエン・テェ・マン

——ニアショア拠点を新設した狙いを教えてください。

 従来、日本からのオフショア開発の発注は中国がメインでした。しかし現在は地政学リスクの高まりを受け、代替え先を探す企業が増えています。

 その受け皿に当社がなりたいと考えました。DX(デジタルトランスフォーメーション)ニーズの高まりもあり、今後オフショア開発の規模はさらに拡大するはずです。それらの案件が受注できれば、当社は大きく成長できます。

 ただし、日本企業は中国以外にオフショア開発を発注すると、言語の問題を感じることが多いと聞きます。その課題を解決するため、日本にニアショア拠点をつくり、日本人を含めた日本語レベルの高い人材をそろえることにしました。ニアショア拠点とベトナムオフショアをうまく組み合わせることで、コストメリットを出しながら、高い日本語レベルでの対応が可能になります。

 もう1つの理由として、金融や公共事業などの案件の受注獲得があります。これらの領域のプロジェクトは、国境を越えたタスクの依頼はしないというルールを決めているケースが多くあります。ニアショア拠点をつくることで、そういった案件も受注したいと考えました。

——福岡を選んだのはなぜでしょうか。

 まずビザが取りやすく、ベトナム人が出張で行きやすいということがあります。福岡市は2023年に全国で初めて、「エンジニアビザ」の制度を開始しました。海外のエンジニアについて、入国までの審査期間を短縮することが目的です。

 東京や大阪でビザを取ろうとすると3カ月ほどかかりますが、福岡の場合はエンジニアビザ制度を利用することで、1カ月程度でビザが取れます。

 ビザ以外にも、福岡は外国人が住みやすい都市として人気であることや、海外のスタートアップが集積していること、地理的にアジアに近いことが挙げられます。福岡県とハノイ市は2008年に友好提携を締結していて、それ以来年々交流が盛んになっています。

 大学が多く日本人採用にプラスであることや、東阪より物価が安いことなども福岡の良い点ですね。

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