工場やビル内のネットワークは一般に、複数のレイヤーで設計される。アクチュエータやセンサーなどのエンドノード(エッジ)レイヤー、PCSやDCSなどが置かれるフィールドレイヤー、その上位の制御システムや監視・データ収集システム(SCADA)などが接続されるコントロールレイヤー、および情報系のエンタープライズレイヤーといった構成が一例だ。
ただし、こうした従来的な設計には次のような課題があると、アナログ・デバイセズで産業用ネットワークを担当する石井安則氏は説明する。「フィールドレイヤーやコントロールレイヤーに使われる産業用イーサネットやフィールドバスはメーカーごとに仕様が異なるため、情報のアイランド化の他、運用やセキュリティ対策の複雑化、メーカーへのロックインなどが生じています。また、エンドノードにおいては、ノイズ対策やセキュリティ対策などが必要です」。
こうした課題を解決し、産業用ネットワークを革新する技術として注目を集めているのが、リアルタイム性や定時性を備えた「Ethernet TSN」と、センサーやアクチュエータなどをシングルペア・ケーブルで接続する「SPE」である。両者を用いることでエンタープライズからエンドノードまでをイーサネットに統一することが可能になる他、IT(情報技術)とOT(制御技術)の融合も図ることが可能だ(図1)。