アナログ・デバイセズ Vol.1 “生まれ変わった”JASPARが描くビジョンとは SDV時代の進化・深化へ向けて着々と進むオープン化の取り組み

顧客体験の継続的な向上や新たなビジネスモデルの創出といったメリットが謳われるSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)。SDVをより技術的に進化させるためには、社会に根付くまで深化させるためには何が必要か。車載向けソフトウエアの国内標準化団体であるJASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)で運営副委員長を務める野村拓望氏と、半導体サプライヤとしてこれに参画するアナログ・デバイセズの谷島潔氏に聞いた。

──SDV時代におけるJASPARの活動を教えてください。

野村 JASPARは、今や200社以上の会員企業が加盟する車載ソフトウエアとE&Eアーキテクチャの標準化団体です。おかげさまで2024年に設立20周年を迎えました。その記念式典では、会員の皆様に向けて「日本の自動車業界一丸となってSDV化の波に立ち向かっていこう」と、決意を新たにしたところです。

 SDV時代に向けた新たな活動としまして、2025年4月にAPI技術ワーキンググループを立ち上げ、日本発のビークルAPI策定に取り組んでいます。このAPIは仕様を策定するだけでなく、実際にソースコードも書いて、最終的にはオープンソースにして公開しようという取り組みです。まずはボディー系を対象に「JASPAR API」の開発を進めています。

 もちろんSDVの実現には、ビークルAPIだけではなく、ネットワークやセキュリティ、機能安全をはじめ、あらゆる技術が相互作用し、機能しなければなりません。また、新たなサービスの創出のためには、サードパーティのアイデアや活力も必要です。JASPARが日本のSDVの旗振り役となり、これらの要素を取り込んだ新しいエコシステムの構築を目指しています。

──アナログ・デバイセズも先日JASPARの正会員になり、ワーキンググループの活動に参加されているそうですね。

谷島 当社のような半導体ベンダーは、これまではTier1やTier2などのOEMに対するサプライヤとしてのお客様に半導体製品を納めるビジネスモデルで成り立っており、OEMの皆様と直接お話をする機会はそれほどありませんでした。しかしSDVの時代になった今、例えば「ゾーンやセントラルに適したネットワークのあり方」などについてOEMの皆様と会話することがとても重要になっています。自動車を構成するさまざまな技術により深く関わっていく必要があると考え、準会員として成果物を利用するだけでなく、正会員としてワーキンググループにも積極的に参加していこうと考えた次第です。

野村氏/谷島氏