

ビジネスの成功を促進する
社員PCの運用管理をラクにする「3つのアプローチ」
Q.課題のひとつとして、数百台の社員PCの運用管理をどうすべきだと思いますか?
小林 3つのアプローチがあると思います。まず1つ目のアプローチは「セルフサービス化」です。数百台というPCの運用管理をするのに必要なのは、各社員が自分自身でできることを増やしていくこと。例えば、セキュリティソフトの入れ替えや各種設定などには、分かりやすいマニュアルやFAQを用意すれば、情シスに頼らなくても社員自身で操作ができるようになるでしょう。社員が自分でPCの設定をして操作できるようにすることで、結果的に会社全体の生産性が上がることが期待できます。情シスが「何でも屋」にならない環境づくりの第一歩は、社員ができることは自分でやる仕組みをつくることなのです。
2つ目のアプローチは「アウトソーシングの活用」です。これは考え方、体制に関わることなのですが、情シス担当者だけが抱え込まないことが大事です。情シスだからといって何からなにまで社員から頼まれたことを引き受けていたらパンクしてしまいます。ですので、業務の一部を信頼できる外部パートナーに委託することで、情シスの担当者は本当にやるべきコア業務に集中できるようになるでしょう。加えて、自社独自ではない、常にアップデートされる標準化された管理サービスを活用すれば、情シスがいなければ何もできなくなるという属人化を防ぎ、負荷をより下げることが期待できます。
これは情シスの業務をただ外部に任せてしまえばそれでいい、というわけではありませんので、パートナー企業選びは慎重に行いたいところです。おすすめなのは、会社の近所にあってこまめに訪問してくれるパートナーです。何かにつけてご用聞きをしてくれるところは信頼度が高いといえるでしょう。場所的に近いことから心理的にも親近感があり、状況を理解してくれることも大きなメリットです。実際、地方の中小企業では、「とにかく来てくれる」「困ったらすぐ対応してくれる」というパートナーが高く評価されています。
そして3つ目のアプローチは集中管理、センターコントロールです。情シス担当者がトラブルのたびに社員の所へ行かなくてもいいように、ツールを使って社員PCの状況を一元管理する。理想としては、OSやセキュリティのアップデート作業などを情シス部門が一括で操作できることです。ツールから直接状況を把握し、一括管理できるシステムがあれば、情シスの負担を劇的に下げることが期待できます。セキュリティパッチなどが自動的に適用される仕組みがあれば、社員も更新作業の負担が大きく減り、安全な環境を維持できます。業務用のPCを導入する際はこうした集中管理ができる周辺サービスがあるかどうかもポイントですね。
これから情シスの業務はどうなっていくのか
Q.そもそも、どんなPCを選ぶべきでしょうか?
小林 とにかく軽いPCがいいと思います。コロナ以降、リモートワークと通勤のハイブリッドワークが普及しました。そのため常に社員がPCを持ち歩くようになったこともあり、本体の軽さや電池の持ちがより重視されています。さらに壊れにくいPCであれば物理的なトラブルも減るので、情シスの対応も減るでしょう。加えて、社員が自分でメンテナンスしやすいように、わかりやすく操作できるPCがおすすめですね。
Q.情シスが働きやすい環境をどのように作っていけばいいでしょうか?
小林 「情シスだけで頑張らなくてもいい状態にすること」です。情シスの業務の負担が少なければ長く続けられ、必然的に新たに採用する必要はなくなります。先に申し上げたように、先進的な企業では情シス部門で一元管理・リモート管理できる仕組みなどを構築しています。
同時に、情シス側でも経営層にアピールしていくことも大事です。例えば、ランサムウェア攻撃によって製造・出荷工程に多大な損害を受けた企業のようなインシデントについて伝えるのです。実例を挙げて、IT障害が企業活動の継続に大きな影響を与えることを経営者に理解してもらう働きかけを積極的にしていきましょう。大規模な影響があることを経営者に理解してもらえれば、情シスの業務を少人数に背負わせることがリスクであることを認識してくれるはずです。
中小企業の情シス課題とその解決策
Q.最後に情シスのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
小林 仕事量が多くて厳しい状態に陥っているなら、我慢せず抱え込まないでください。頑張ることは立派なことですが、それが会社のリスクを大きくしてしまう可能性につながるかもしれません。情シスの業務をなるべく分散して、自分ひとりでリスクを背負わなくていい状態にしていくことを意識すべきです。そのためにアウトソーシングやツールの活用、他の社員との分担など、様々な方法を検討していくことです。
その上で、情シスの仕事が過酷であることを経営者に知ってもらいましょう。「私だけで情シスの業務をこなしているのは会社にとって大きなリスクですよ」と勇気を持って声を上げることが大事です。
情シスの仕事は、会社の生命線を支える重要な役割です。それを少人数、もしくはひとりだけの情シスに任せることは大きなリスクになります。「情シスが業務を抱え込まずに済む仕組みづくり」が、これからの企業の競争力になることでしょう。
終始笑顔で、情シスの課題に寄り添い、語ってくれた小林氏。
次回「情シスの人材不足」後編は
「レッツノートが解決する情シス課題」
本特集では引き続き「情シスの人材不足」の課題を掘り下げていく。次回はハードウェア編。パナソニックの最新レッツノートがどのように中小企業の「ひとり情シス」の負荷を減らし、企業の事業継続性・生産性向上に貢献するのか? パナソニック コネクト担当者のインタビューをお届けする。
(2025年12月25日公開予定)
「SC/FC導入でIT管理者の業務負荷を軽減」
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