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デジタル変⾰の新たな伴⾛者 ベトナムIT産業の底⼒デジタル変⾰の新たな伴⾛者 ベトナムIT産業の底⼒
Vol.10 VTI

「日本企業に最適化したAIを開発する」
ベトナムIT企業VTIの技術戦略

VTIは2017年創業のベトナムIT企業だ。創立直後の2018年には早くも日本に進出し、大企業からも受注するなど躍進を続ける。同社が研究開発に力を入れている分野の1つがAI(人工知能)だ。日本企業はAIをどのように活用していくべきか、AIによる日本企業の競争力の強化に向けて、VTIはどのような支援ができるか。同社のファム・タン・ハー最高技術責任者にAI開発と応用の戦略を聞いた。(聞き手は大和田 尚孝=日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長)

ファム・タン・ハー氏

株式会社VTI
最高技術責任者
ファム・タン・ハー

——AI活用に注目が集まっています。これからの時代、日本企業はAIとどのように向き合っていくべきでしょうか。

 AIを活用することによって新しいビジネスを創出することが可能になってきました。企業はそのことに注目して、経営戦略をAIを中心としたものに練り直す必要があります。AIを効果的に活用するための手腕が問われるようになっていますね。

 新しいビジネスの創出だけでなく、社内業務の生産性向上や自動化にもAIは寄与します。これらは企業にとって価値があることですが、同時に競合他社にも同じ恩恵があります。つまり、変革を進めないと取り残されてしまう状況になったということです。

 AIをうまく活用するためには、人材教育が欠かせません。販売や生産、研究開発(R&D)の部門に加えて、人事や会計などの間接部門の社員もAIについて学ぶ必要があります。そういった様々な部署の社員に対し、AIに関する基本的な知識やツールの種類・特徴、データの集め方、セキュリティ、ガバナンス、運用の基準などについて教育すべきです。

 企業が明確に認識すべき重要な点は、AIは人間を置き換えるものではないということです。人間の意思決定をAIが支援することで、反復的な業務の負担を軽減することができます。AIを使って完全な自動化を目指すよりも、「人間+AI」の協働モデルの方が高い効果を発揮する可能性があります。

 AIを実際に業務に取り入れる際に重要なのは、どのようなイノベーションを目指すかという目的を明確に定義することです。これをしないと、取り組む意義が薄れてしまいます。AIを積極的に活用したことを評価するため、KPI(重要業績評価指標)などの指標を設けることも大切です。

 効果を測定しやすい具体的な課題から着手することも、AI活用を成功に導く大事なポイントです。最初から大規模な投資をする必要はありません。始めに取り組むものとして最適なのは例えば、文書処理の自動化、顧客対応の支援、社内レポートの分析などです。こうした取り組みに成功したら、段階的に導入範囲を拡大していくアプローチが望ましいでしょう。

 AIの最新トレンドに注目し続けることも欠かせません。以前のテクノロジーは変化のスピードがゆったりとしていましたが、生成AIやAIエージェントなど、AIに関連する最近のテクノロジーは短期間で進化します。1週間で大きく変わる、といったケースもあります。テクノロジーによって新たに可能になったことの中に自社に生かせるものがないか、常に目を配らせておきましょう。

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