

VTIは首都ハノイに本社を構える、2017年創業のベトナムIT企業だ。創立直後から日本市場に照準を合わせてビジネスを展開しており、小売業向けのビジネスが強みの1つになっている。店舗における人手不足や、EC(電子商取引)における顧客体験の向上、競争が激化する中での既存顧客の維持など様々な課題がある中で、それを解消するツールやサービスを提供して受注を拡大しているという。同社が提供する支援内容や日本企業から評価される理由などについてグェンフ・ダン ソリューション開発第八部ゼネラルマネジャーに聞いた。(聞き手は大和田 尚孝=日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長)

株式会社VTI
ソリューション開発第八部
ゼネラルマネジャー
グェンフ ダン氏
——日本の小売業界が直面している課題について改めて教えてください。
少子高齢化による人手不足や賃金上昇、消費者のニーズの多様化・高度化への対応などですね。消費者ニーズの多様化・高度化は特にECに対して顕著で、より快適な購入体験を求める人が増えています。
様々な方法が考えられますが、ほとんどの問題の解決にデジタルの活用が有効だと考えています。
私は、前職時代の2007年に日本で働き始め、2017年にVTIに移ってからも日本での勤務が続きました。そのため2022年まで15年にわたって日本で勤務し、この間コンビニのシステムやスーパーのECサイト、販売管理システムなど、小売業向けの様々なシステムの開発や運用保守を担当しました。日本の流通の企業がベトナムに進出する際にシステム面でご支援したこともあります。
私がいた15年の間に、日本の小売業界は大きく変化しました。最近も大型の再編が相次ぐなど、多くの企業が生き残りに必死です。デジタル活用は「待ったなし」の状況だと言えます。
——課題解決のためのデジタル活用のやり方として、具体的にはどんな方法が考えられますか。
人手不足の解消には、AI(人工知能)などの自動化ツールが役立ちます。当社は棚の状況を監視するAIカメラ、業務をサポートするチャットボット、シフトの最適化システムなど、自動化ソリューションを提供しています。小売業界では学生や外国人労働者への依存が高まっていますので、新人や日本語が得意でないスタッフでも使いやすい、直感的で親しみやすいUX(ユーザー体験)/UI(ユーザーインターフェース)の設計にも力を入れています。
顧客体験をよりパーソナライズし、便利でスピーディーにするためにもAIが活用できます。当社は購買行動をAIで分析し、個々のニーズに合った商品をレコメンドするソリューションを提供しているほか、モバイルアプリやECプラットフォーム上で自動応対するAIエージェントの導入も支援しています。
市場競争が激しくなっている中で、既存の顧客を維持していくことも小売業界で強く求められています。このニーズに対し、モバイルアプリを通じたポイントプログラムや柔軟なプロモーション設計、ユーザーデータの分析に基づいたタイミング・ニーズに合ったマーケティング施策の実施をご支援しています。これにより、リピート率の向上や顧客ライフタイムバリューの最大化が可能です。