先進の技術で産業界をリードするアナログ・デバイセズ Vol.3 ISACが実現する通信とセンシングの融合 来たる6G時代に向けて基盤技術をミリ波5G帯で先行評価

2030年代の実用化に向けて、6G(第6世代移動通信システム)の開発が進んでいる。その基盤技術の一つが、大容量通信と周辺センシングとを同じ設備で実現する「ISAC:Integrated Sensing and Communication」だ。アナログ・デバイセズの日本法人は、現実(フィジカル)世界でのISACの評価を加速すべく、フェーズドアレイ・アンテナ・モジュール「Dragonfly」を開発した。
アナログ・デバイセズ カスタマーソリューショングループ 航空宇宙・防衛・コミュニケーション スタッフフィールド アプリケーションエンジニア 高松 創氏

ミリ波(主に27GHz~300GHz)の利用が広がる中、無線通信と周辺センシングとを同時に実現する新たな技術として「ISAC」に注目が集まっている。

「ISACは6Gの基盤技術の一つとして研究が進められています。モバイルネットワークを、単なる通信装置から、物理環境を認識する装置へと進化させる技術とも捉えられています」。こう説明するのは、アナログ・デバイセズの高松創氏である。

ISACは、基地局間(または基地局と端末間)で通信を行いながら、レーダーのように電波をスキャンして、その反射から人やクルマを検知する仕組みだ。

ISACの可能性は広い。移動体通信システムの標準化団体3GPPが公表した通信仕様「リリース19(Rel-19)」では、道路交通システムにおける歩行者や他車検知、ドローンを使った物流・配送の制御、スマートシティにおける市街地の広域センシング、自動倉庫や工場内でのロボット制御などが構想されている。

「とくに欧米では安全保障の観点からも、ドローンなどの未確認飛翔体の検知に対する関心が高まっています」と高松氏は補足する。