

ベトナムの首都ハノイに本社を構えるIT企業のVTIは、小売りや製造業を中心に複数の日本企業のシステム開発案件を手掛けている。近年特に力を入れている分野の1つが、レガシーマイグレーションだ。日本とベトナムのリソースを活用し、コスト削減にとどまらない価値を提供できる点が受注拡大につながっているという。同社のレガシーマイグレーションにおける特徴について、日本法人であるVTIジャパンのファム・ターン・ソン最高技術責任者と、ディン・ウン・バク第1開発事業本部本部長に聞いた。(聞き手は大和田 尚孝=日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長)

株式会社VTIジャパン
最高技術責任者
ファム ターン ソン氏
株式会社VTIジャパン
第1開発事業本部
本部長
ディン ウン バク氏
——レガシーシステムを使い続けている日本企業は多くあります。そういった企業はどのような課題に直面していますか。
2025年ごろにレガシーシステムなどの老朽化した企業システムが増え、運用や更新を担うエンジニアの不足感が強まることが、「2025年の崖」として問題視されてきました。老朽化したシステムを改修して保守性を高める、新しいシステムに移行するなど何らかの手を打たないと、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進まず、大きな経済損失が生まれると指摘されていました。
2025年が終わった現在、レガシーシステムの改修や別システムへの移行に成功した企業がある一方で、レガシーをそのまま使い続け、それが課題となっている企業も多く残っています。
例えば、富士通製メインフレームを使っている企業です。富士通製メインフレームの保守は2035年度に終わります。富士通製メインフレームは国内でまだ約650台近く動いていると見られていますが、マイグレーションに対応できるITベンダーがあまり多くないため、2035年度までに移行が終えられるかが課題になっています。このことは「2035年の崖」と呼ばれるようにもなりました。
オフィスコンピューターでも問題が生じています。富士通は2025年3月に、同社製のオフィスコンピューターをデータセンターで運用し、クラウド経由でリソースを提供する「Cloud Service for オフコン」を2030年度末に終えると発表しました。元々は2035年ごろまではサービスが続くのではないかと見られていたために、移行に焦る企業の方から当社にお問い合わせいただく機会が急増しています。