
アクティオが提供する「建機レンタルWeb注文サービス」は、文字通り、従来は電話で行われてきた建機レンタルの注文を、Web上のカタログを見ながら行えるようにしたものだ。
一般のECサイトのように、欲しい(借りたい)建機を選んで「カート」に入れ、「注文」ボタンを押す。電話と違い、24時間365日いつでも注文できるのがメリットである。
「建機レンタルの注文は、『今日か明日現場に持ってきて』という短納期が6~7割を占めています。それだけ建設現場はタイトなスケジュールに追われており、『電話をかけてもつながらない、夜間の電話受け付けは行わない』といった対応では、大きな課題がありました。これを何とか改善したいと思ったのが、このサービスを開始した大きな理由の一つです」と語るのは、「建機レンタルWeb注文サービス」の開発・運用に携わる佐藤博之氏である。
「建機レンタルWeb注文サービス」は一見すると、コンシューマー向けのECサービスと同じように見えるが、実際には大きな違いがある。それは、「注文」ボタンを押しても、そのまま建機が届くわけではないということだ。
「注文を受けると、営業担当者がお客様にチャットで呼び掛け、注文内容の確認を行います。どんな工事に用いるのか、現場の状況はどうなのかといった詳細をうかがった上で、注文した建機が本当にふさわしいのかどうかを確かめ、より良い建機があれば、そちらを提案するのです」(佐藤氏)
つまり、アクティオの強みであるレンサルティング®がここでも発揮されるわけだ。
BtoBの取引であり、しかも用途ごとに機種やバリエーションが細分化された建機であるからこそ、「注文ボタンを押したら、そのまま配達」というシンプルなECサービスにはできなかった。そこには、現場のニーズをしっかり把握した上で、常にベストな建機を提供したいというアクティオの強いこだわりが感じられる。
「建機レンタルWeb注文サービス」には、他にも一般のECサイトとは異なる点がある。利用者がすでにレンタルしている建機のリストを確認し、不要になった建機は「返却」ボタンを押せば回収してくれる機能も備えているのだ。「新規」と「返却」の注文が同じECサイト上でできるというのは、非常にユニークである。
佐藤氏は、「実は、この返却サービスのほうがありがたいという声が非常に多いのです。これまでお客様は、どこの現場で何台の建機が動いているのかを把握していないケースが多く、使い終わった建機が借りたままになっていたり、すでに借りている建機を重複して借りたりする無駄が生じていました。このサービスなら、借りているすべての建機をWeb上でチェックできるので、余分なコストが抑えられるわけです」と説明する。
そもそも「建機レンタルWeb注文サービス」の開発は、ある大手ゼネコンからの要望で始まった。「その会社の『働き方改革推進室』が若手社員にアンケートを取ったところ、電話による建機の手配は手間がかかるので、Amazonのようにスマートフォンやタブレット端末で注文できるサービスがあるとありがたいという声が上がったのです。これを受けて、実際に開発できないかと相談されたのがきっかけでした」(佐藤氏)。
早速、要望に応えるサービスのデモ版を作り、大手ゼネコンの若手社員に試してもらった。そこで分かったのは、ECサイトのようにただ注文できるだけでは十分ではなく、「どの機械を使えばいいのか」「今、借りている建機は何台あるのか」といった、相談への対応も必要とされていることだった。営業担当者が電話注文を受ける際に行っていたアドバイスやコンサルティングを、Web上で再現してほしいという潜在的ニーズが掘り起こされたのだ。
井原氏は、「当初は単なるECサイトを作ればいいのだろうと思っていたのですが、そうではない。当社ならではのレンサルティング®が、Web上で丸ごと提供できるようなサービスでなければならないということに気づいたのです」と振り返る。
アクティオは、このニーズを満たせるWeb注文サービスを開発・運用するためには、どのような基盤が適しているのかを検討した。そして、ECサイトの機能だけでなく、チャットなどのコミュニケーション機能や、注文に応じて業務プロセスが自動的に動くデジタルワークフロー機能などが利用できるServiceNowのCustomer Service Managementを選定したのである。