法規制の強化やデジタル化への対応など、金融業界が直面する課題は年々、高度化、複雑化している。そうした中、目まぐるしい環境変化に柔軟に対応できるIT基盤を整備したのが野村ホールディングスだ。ITセキュリティからソフトウェア開発、人事管理まで、多様な領域でDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる同社の取り組みに迫った。
金融機関としての責任を担保しながら
変化に柔軟に対応できるIT環境をつくる
野村ホールディングスは、全世界の従業員約2万7000人、運用資産残高64兆7000億円※、30以上の国と地域に拠点を持つグローバルな金融サービス・グループだ。
※2022年9月末現在
野村ホールディングス株式会社
グループ・IT統括部
マネージング・ディレクター
ダニエル・ボルサム 氏
グループ・IT統括部
マネージング・ディレクター
ダニエル・ボルサム 氏
投資銀行のトレーディング環境における経験豊富なグローバルITマネージャー。複数の資産クラスにおけるグローバルITチームの構築と管理について幅広い経験を持つ。自動化ツールチェーン、アジャイル手法、SREなどの領域も担当。
ビジネスにおけるIT活用の規模も巨大である。「全世界の従業員が使用するデスクトップパソコンは2万7000台以上、アプリケーションは2200以上、サーバーの数は3万台以上に上ります。技術チームは東京、ロンドン、ニューヨークを主軸に均等配置されており、24時間体制で管理しています」と語るのは、同社 グループ・IT統括部 マネージング・ディレクターのダニエル・ボルサム氏だ。
金融業界を取り巻く環境は、各国・地域における法規制の強化や、デジタル技術の急速な発展などによって、目まぐるしく変化している。野村ホールディングスは、そうした環境変化に柔軟に対応するため、IT基盤の見直しに積極的に取り組んできた。
「オンプレミスが主体であった従来のIT基盤を、パブリッククラウド、プライベートクラウド、SaaS等に移行しているのも、その一環です。ただし、安全管理措置が求められる顧客情報や取引情報などは、デリケートに取り扱わなければなりません。そのため、データの保管場所は重要なポイントです。また、ガバナンスの観点からサードパーティのリスク管理にも注力しています。どのデータやプロセスをクラウドに移行させるのかということは、極めて慎重に判断しています」とボルサム氏は説明する。
金融機関としての責任や信頼性はしっかりと担保しながら、時代の変化に柔軟に対応できるIT環境づくりを目指している。
