日経ビジネス電子版 Special
安心・安全・信頼をITの側面から支える
グループ全体の旗振り役として

DXを推進する東京ガスiネット

東京ガスグループのシステムインテグレーター(SIer)として、グループ全体のIT/デジタル化の中核を担う東京ガスiネット。その取り組みの一つとして、グループ各社がシステムやIT機器をスムーズに利用できるように「IT運用の高度化」を進めている。手始めに、ITに関する問い合わせや申請の処理を効率化する仕組みを構築。構成管理情報に基づくIT運用の効率化も目指している。

競争が激しさを増す中
ITでグループを支える役割にも変化が

東京ガスⅰネット株式会社
常務執行役員
山川 貴司
1989年に株式会社ティージー情報ネットワーク入社(現、東京ガスiネット株式会社)に入社後、営業開発部やネットワークインテグレーション部、インフラソリューション部を担当し、2018年に執行役員 コーポレートソリューション部長に就任。22年4月より現職。

 東京ガスiネットは、東京ガスの情報システム部門が独立・分離して1987年に設立。以来、東京ガスグループで唯一のSIerとして、グループ全体の業務やサービスをITの側面から支援している。

 「東京ガスグループは、LNG(液化天然ガス)の調達、輸送から、都市ガスの製造、供給に至るまで、産業や暮らしに欠かせないガスインフラを提供する“LNGバリューチェーン”を形成しています。その業務やサービス提供において欠かせないのは安心・安全・信頼という3つの価値です。東京ガスiネットは、ITの側面からこの3つの価値を支える役割を担っています」と語るのは、同社 常務執行役員の山川貴司氏である。

 東京ガスiネットは、グループ全体の業務内容を知り尽くし、35年にわたって培ったIT活用のスキルとナレッジを基に、コンサルティングからシステム開発・維持管理、インフラ構築・運用まで、幅広いサービスをグループ各社に提供している。

 常に安定したITインフラ基盤を整備し、安心・安全・信頼を支えることが何よりも重要な使命であるが、近年はそれに加えて、グループ各社の業務の効率化や革新を促す役割も大きくなっている。

 「2017年にガスの小売りが全面自由化され、22年4月にはガスの製造事業と小売事業、導管事業の兼業を禁止とする『法的分離』が実施されるなど、東京ガスグループを取り巻く環境は大きく変化し、競争は厳しさを増しています。そうした中で、グループが持続的に成長していくためには、業務の効率化や変革を推し進めていかなければなりません。私たち東京ガスiネットには、ITの力によって、その後押しをしていく役割も期待されています」と山川氏は説明する。

 脱炭素化やエネルギーの安定供給といった社会課題に向き合うため、東京ガスグループは“LNGバリューチェーン”の変革を柱の一つとする「Compass 2030」という経営ビジョンを掲げている。このビジョンを達成するためにもITの力が必須であり、東京ガスiネットのグループ内における役割はますます重要になっている。