生成AIの活用を視野に入れたデジタル戦略を描く

日本の金融機関はさらなる成長を遂げる

産業別ソリューションが
重要である理由

 ServiceNow Japanが産業別ソリューションに注力する理由を、鈴木氏は次のように語る。

 「日本の市場、社会、経済界は、産業ごとの成長戦略を描き、それを創意工夫によって実現してきました。それは揺るぎない事実です。ServiceNowとして、産業別に企業を支援する体制を整えることは、極めて重要だと考えています」

 鈴木氏は続ける。「私自身が思うのは、ServiceNow Japanは『日本の会社』になりたいということです。当社はもちろんグローバル企業の日本支社ですが、設立10年で従業員も数百人規模に成長しました。そして、当社が日々相対しているのは日本のお客様であり、パートナー企業です。日本に根差した企業になるためには、国内の社会基盤を支えている金融や公共分野、そして日本が世界に誇る製造業への貢献を強めていくことが不可欠だと考えています」

業種別取り組みの強化​

業種別取り組みの強化
ServiceNow Japanが今後3年間強化する通信、製造、金融、公共の4領域の中で、とくに金融分野はグローバルのノウハウを取り込みやすい分野だ。

日本の金融業界を
アジャイルに変革する

 4つの産業の中でも、経済の基盤を担う金融はとくに重要なセクターである。ServiceNowではその金融市場向けに特化したソリューションの「Financial Services Operations」(FSO)を開発した。

 銀行、保険会社などの金融組織が必要とする基本的なワークフローをテンプレートとしてまとめており、銀行や保険会社が短期間で実装して運用することができるソリューションである。

 「日本企業のITにスピード、アジリティ、フレキシビリティが求められていますが、金融業界ではとくにその意識が強く、時代の要請に応じた新しい商品、サービスをいかに早く提供するか、Time to Marketの観点が重視されています。FSOは、その要求に対応することができます」

 その一方で、銀行の勘定系システム、保険会社の契約管理システムといった金融業界の基幹システムは、社会的に重要な役割を持つため、堅牢性を第一に開発と運用が行われてきた。周辺システムを含む既存システムへの追加投資も行われているが、オペレーション面の多くは従業員の高い事務能力で支えられている。

 だがServiceNowは、既存システムを作り替え、そのシステムを無視して新たなシステムを作るというスタンスには立たない。ServiceNowのプラットフォームを新たなレイヤーとして加えることで、あくまでも既存のシステムを使うことを前提に、かつその安定性に影響を与えず、組織のアジリティやスピードを高める。

 なぜそれが可能なのか。ServiceNowは顧客目線で、あらゆるサービスに対するエンドツーエンドでの一気通貫なオペレーションの統合、最適化を実現するソリューションである。企業内で稼働している様々なシステムの構成情報、部門横断的なオペレーションデータを1つのプラットフォーム上に集約することで、各システムの間を取り持っていた人の業務を可視化し、業務プロセス全体を円滑につなぐことができる。

 「FSOは日本だけの取り組みではなく、グローバルで金融機関との間の多くのディスカッションを経て、当社が今の金融機関で求められるサービスや機能をベストプラクティスとして取りまとめ、提供しているソリューションです」

 FSOの導入によって、金融機関は長年守ってきた情報セキュリティ、アクセス権の管理などの情報ガバナンスはすべて維持したまま、デジタル化、DXのベストプラクティスを活用することにより、素早く可視化や自動化を実現できる。

 「金融業界にデジタルのサービスが飛躍的に拡大する環境の中、業務プロセスや情報の管理にもデジタルの力が必要です。ServiceNowのFSOは、セキュリティ、リスク、ガバナンスの全てを強化しながら、オペレーションの効率化と自動化で経営のスピード向上に貢献できるプラットフォームです」

 他の業界と同様、金融業界でも社内業務はメールや紙、スプレッドシートの伝達によって進められており、データの手入力、複製などの業務が多く存在している。FSOは、これら複数の手段をまたがる複雑な業務を1つのインターフェースにまとめ、従業員に提供する。業務プロセスの自動処理も可能にする。

 さらに、ServiceNowのプラットフォーム上に蓄積されるワークフローのデータを分析することで、業務の課題を可視化し、改善するプロセスを回すことができる。単なる業務効率化ツールとの違いがここにある。

Financial Services Operations(FSO)

業種別取り組みの強化
FSOは、金融機関が運用している既存システムのセキュリティ、可用性に手を加えることなく、優れた顧客体験を実現するサービスの提供や業務プロセス全体の自動化を実現する。