サイロ化したデータが
タイムリーな顧客分析を阻んでいた
2001年に営業を開始したソニー銀行は、国内インターネット専業銀行の草分け的存在だ。「ITを最大限活用し、一人ひとりのお客さまのための金融サービスを提供する」との理念に基づき、一般的な銀行商品である外貨預金、住宅ローン、カードローンのほか、11通貨対応デビットカードや、投資型クラウドファンディングをはじめとする多彩な金融商品を展開する。2023年9月の預金残高は約3.8兆円と、その規模は中堅の地方銀行に相当する。
「当社は、テクノロジーの活用で個人の生活を豊かにすべく、これまで多くの製品を世の中に届けてきたソニーのDNAを受け継いでいます。ソニーグループの一員として、個人ユーザーのニーズを追求し、高い顧客満足を実現することが我々の使命です。しかし近年は、ニーズの多様化に伴い、『個々のお客さまにとって最適なサービスを提供する』という肝心の部分が不十分だと感じられるようになっていました」。そう話すのは、代表取締役副社長の鈴木 隆行氏だ。

ソニー銀行株式会社
代表取締役副社長
鈴木 隆行氏
顧客数や商品の増加に伴い、業務で扱うデータの量が増え、各部門/システムにデータが散在して顧客のニーズを把握しきれなくなっていたことが大きな要因だ。社内に点在する膨大なデータを取りまとめて共有する仕組みもなく、正確な顧客ニーズの把握が難しい状況だったという。
顧客のインサイトを正しく把握できなくなれば、顧客にとって最適なサービスを提供できなくなり、高い顧客満足度を実現するという「ソニー銀行らしさ」が失われてしまう。「そのことに強い危機感を抱くようになったのです」と鈴木氏は言う。


