これからの社会は“インパクト*”が成長軸となる。カーボンニュートラル実現に向けた脱炭素経営はその先行モデルだろう。企業がCO₂削減目標を掲げ、ステークホルダーから実行性を評価される。重要なポイントは、電気自動車(EV)などのイノベーションにより産業構造転換が起きることだ。成長領域として投資を呼び込み、新市場拡大とともに脱炭素化を加速させている。
* インパクト:活動や投資により生み出される社会、環境にもたらす変化
次の潮流は何か。兆しが見えてきた。2023年5月のG7広島サミットで承認され、同年9月の国連総会ハイレベル会合の機会に設立された「グローバルヘルスのためのインパクト投資イニシアティブ(Triple I)」だ。民間資金の動員を促進し、途上国の保健医療に関わる課題解決に貢献していく。Triple Iには、インパクト志向の金融機関を目指す、みずほフィナンシャルグループも加盟している。
地球規模で保健医療課題に取り組む「グローバルヘルス」は日本主導のフィールドだ。それだけに、国内企業が確固たるポジションを築くチャンスは大きいが、それを享受するために克服すべき課題もある。みずほフィナンシャルグループ 末吉光太郎氏は「製薬分野以外の企業がインパクトを収益につなぐ道筋をどう描くか」と話す。「CO₂削減のように、ヘルスケアのインパクトを測る共通の“モノサシ”が必要」とみずほリサーチ&テクノロジーズ 掛川紀美子氏は指摘。「貧困国の感染症は新薬もなく取り残されている」とグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund) 國井修氏は現実を語る。グローバルヘルスはインパクト経営の主要イシューになり得るか――。
SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」も念頭におき、インパクト投資のスペシャリストと、グローバルヘルスのキーパーソンが、「脱炭素化と同じ道筋を描くことができるか」、率直に語り合った。
