ベイシアグループ各社のIT基盤を下支えするBGSは、各社からのシステムや端末の不具合などに関する問い合わせを受け付け、対応する業務も行っている。これを何とか効率化したいと考えていた。
ベイシアやカインズなど、大型小売チェーンをいくつも展開するベイシアグループでは、グループ全体で約4万7000人もの従業員が働いている。
それぞれの従業員が使うパソコンに不具合が生じたり、システムが正常に動かなくなったりすると、BGSのサービスデスクに電話やメールで問い合わせが入ってくる。
「問い合わせ件数は月間で700件から800件。電話で受け付けた内容はメモを取り、その場で解決できない場合は担当部署にメールで処理を依頼するなど、工数が多くて煩雑な作業でした」と振り返るのは、同社 ソリューション統括本部 システムサービス部でサービスデスクグループを担当する中井泰之氏だ。
サービスデスクは、その煩雑な作業をたった5人のスタッフだけで処理していた。件数が多いだけでなく、処理に手間のかかる作業だけに、月800件をこなすのがやっとだった。
さらに問題なのは、その場で解決できず、他の部署に依頼した場合、案件がきちんと処理されたのかどうかの確認が困難なことだった。
「ひっきりなしに問い合わせが来るので、依頼メールを送った後は担当部署に任せっきりになり、作業の進捗状況や、完了したのかどうかを追いかける時間的余裕もありません。『まだ不具合が解消されていない』と催促の電話を受け、慌てて担当者に確認の電話をかけることも珍しくありませんでした」(中井氏)
またサービスデスクは、どんな問い合わせを受け、どのように解決したのかを週次でレポートにまとめる役割も負っていた。レポートの内容に基づいて、不具合の多いサーバーやシステムなどを特定したり、処理対応の改善を図ったりするためだ。電話のメモやメールの内容を抜粋し、1件1件をエクセルに入力してレポートをまとめるのも煩雑で時間のかかる作業であった。
大久保氏は、「少ない人数で、より多くの問い合わせを効率よく処理できるようになれば、ベイシアグループ全体のIT活用の効率化にもつながります」と語る。
これらの課題を解決するために、BGSは2023年1月にServiceNowを導入。しかし、大久保氏がServiceNowの導入を検討したのは、サービスデスクの業務効率化だけが目的ではなかった。
セキュリティ推進室の室長として、ベイシアグループ全体のITセキュリティ強化を担う大久保氏は、ServiceNowがサービスデスク業務を効率化するIT Service Management(以下、ITSM)だけでなく、グループ全体のサーバーや端末の構成情報を可視化できるCMDB(構成管理データベース)を備えたIT Operations Management(以下、ITOM)も標準アプリとして用意している点に着目した。
「具体的には、サーバーや端末における不審な挙動を検知し、アラートを発令するEDR(Endpoint Detection and Response)とServiceNowを連携させ、怪しいサーバーや端末と関連づいているサーバー、端末をCMDBで洗い出し、ITSMがインシデントチケットを起票するという一連のオペレーションの自動化を目指しました」と大久保氏は明かす。
大久保氏は国内外3社のソリューションを検討したが、この仕組みが実現できるのはServiceNowだけだったという。
「ITサービス管理ができるソリューションはほかにもありましたが、CMDBまで備えているものはServiceNow以外にありませんでした。しかも、ServiceNowはコネクティビティ(接続性)が非常に高く、EDRなどの各種セキュリティソリューションと柔軟に連携できます。これらの点から、思い描く理想を実現するのに最も適したソリューションであると評価しました」(大久保氏)
また大久保氏は、ServiceNowのITSMが、世界中のITサービス管理ソリューションの中で、ITIL(IT サービス管理の成功事例をまとめ、体系化したガイドライン)に準拠する項目数が多いソリューションであることも高く評価した。
「ITサービス管理の“世界標準”に基づくソリューションなので、余計なカスタマイズはいりません。むしろカスタマイズするほど、予算をかけて非効率なシステムに“改悪”することになるわけですから、ROI(投資対効果)の観点からも望ましいと判断しました」と大久保氏は語る。
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