「守りのIT」から「攻めのIT」へ

グローバル全体のシステム変革に挑む日産自動車

2000年代初頭からEnterprise Architecture(エンタープライズアーキテクチャー)活動を推進している日産自動車。その大前提となるのは、グローバル全体におけるシステムの導入状況や稼働状況、それぞれのシステムがビジネスにどう貢献しているのかといった関連性の可視化だ。その一環となるServiceNowのソリューションの活用について、日産自動車のキーパーソンに聞いた。
※文中に掲載している部門・部署名は2025年3月時点のものです。

グループ全体の設計図を描き
システムのあり方を提案

「守りのIT」から「攻めのIT」へ――。これが、日産自動車が長年取り組んでいる「エンタープライズアーキテクチャー活動」の重要テーマである。

世界中でビジネスを展開する日産自動車は、各国・地域ごとに事業部門や生産拠点を置く。本来であれば、すべての拠点が共通のアーキテクチャーの下でシステムを開発し、それぞれのデータを共有しながらグローバルで一体化したビジネスを展開できるようにするのが望ましい。

だが、過去の歴史においては、各事業部門や生産拠点がそれぞれの要件を元にシステムを構築し、グループ全体として統一感のない状態に陥っていた。その大きな原因の一つは、システム開発部門が「守り」の対応に終始していたことにあった。

「かつての情報システム部門は、各事業部門や生産拠点から言われたままにシステムを開発していました。その結果、部門や拠点ごとに部分最適化されたシステムが乱立する状況になってしまったのです。こうした状況を打開するためには、システム開発部門側がグループ全体の設計図(アーキテクチャー)を描き、それに当てはめる形で事業部門や生産拠点ごとのシステムのあり方を提案する形に変えていくべきだと考えました。これが、我々が目指す『守りのIT』から『攻めのIT』への転換です」

そう説明するのは、日産自動車 デジタルトランスフォーメーション推進本部 グローバルエンタープライズアーキテクチャー部 部長の蓬澤健一氏である。

水内氏
日産自動車株式会社
デジタルトランスフォーメーション推進本部
グローバルエンタープライズアーキテクチャー部
部長
(2025年3月時点)
蓬澤 健一
日産自動車に入社後、一貫して情報システム部門に従事。エンタープライズアーキテクチャー領域では、アプリケーションの標準化やモダナイゼーションを推進。DX領域ではデジタルツール(RPA、PP、生成AI等)を活用した全社の業務効率化をリード。

日産自動車は、グローバルでエンタープライズアーキテクチャー活動を推進することの重要性にいち早く気づき、2005年より取り組みを開始。まずは、各部門、各拠点がどんなシステムを導入し、管理・運用しているのか、それぞれのシステムがビジネスとどのように関わっているのかを可視化する仕組みづくりから始めた。

そのための基盤として導入したのが、ServiceNowのソリューションだ。日産自動車は、なぜServiceNowを選び、いかにしてエンタープライズアーキテクチャーの可視化を進めているのか?