「人」を中心とした戦略人事 生成AIの登場によって人事は変わるのか?

多くの企業が慢性的な人手不足に直面する中、新たな人材の確保や優秀な従業員の定着のため、「人」を中心とした戦略人事の重要性が叫ばれている。「人」を生かし、それを企業の成長につなげるには、どのような戦略を立て、施策を講じるべきか? そのカギの一つは、生成AIを活用した従業員体験の向上だ。

「人事戦略」と「戦略人事」は似て非なるもの

八木氏
people first
代表取締役
八木 洋介
1980年京都大学経済学部卒業後、日本鋼管株式会社に入社。1999年にGEに入社し、複数のビジネスで人事責任者などを歴任。2012年に株式会社LIXILグループ 執行役副社長に就任。2017年 株式会社people firstを設立して、代表取締役。

 「先が読めない時代の中で、人事にまつわる企業の戦略にも大きな変化が求められています」と語るのは、LIXILの元執行役副社長で、人材育成や人材マネジメントに関するコンサルティング・講演活動などを行っているpeople first代表取締役の八木洋介氏だ。

 様々なエンタープライズ企業で長年、人事の領域に関わってきた八木氏は、「人と組織で最高のパフォーマンスを出すこと」を目的とした「戦略人事」の推進を提唱する。

 「『人事戦略』と『戦略人事』は似て非なるものです。前者は、人材の採用や教育、配置、処遇といった人事全体の戦略ですが、後者は、経営戦略を構成する主要な要素の一つと位置付けられるべきもの。経営戦略実現のため、『人』に関わるところを重点的に取り出して戦略化し、実現するのが『戦略人事』なのです」(八木氏)

 目まぐるしい変化に対応しながら「人」と会社を成長させるには、“人事のあり方”もパラダイムシフトしなければならない。経営戦略の重要な構成要素として「戦略人事」に取り組むことは、経営戦略実現のために不可欠なステップだと言える。

 では、具体的にどのような戦略を策定し、遂行すべきなのか? 八木氏は「流行に惑わされることなく、本質を理解して、自分たちなりの“解”を導き出すことが重要」だと提言する。

本質を突く…ブレずに「人」起点

本質を突く…ブレずに「人」起点
「『戦略人事』を策定、遂行する上で、抜け落ちてはならないポイントは『人』起点の発想」だと八木氏。「組織を“塊”として捉え、制度やルールで管理するというのではなく、一人ひとりが最高のパフォーマンスを示すために何が有効かをベースに、求心力を持たせるにはどうすればいいか?」を流行に惑わされることなく追求することが重要だと説く