ドライバー不足による輸送力低下が社会課題となる昨今。国も物流改革に本気のメッセージを出す。改正物流効率化法により、2026年4月から、一定規模以上の荷主企業にCLO(物流統括管理者)の選任が求められるようになった。本シリーズでは、改革の最前線に立つ各社CLOの挑戦を追う。
2026年4月以降、新たなCxOが誕生する。
いわゆる物流効率化法で一定規模以上の荷主企業に選任が義務付けられた物流統括管理者(CLO)だ。経営上のCxOとは異なる法令責任者だが、物流環境の悪化が深刻化する中、物流から企業活動を支え、持続可能なサプライチェーン構築の中核を担う存在と期待される。
不二製油の日本市場管掌、日本SCM部門の副部門長兼物流部部長を務める本川仁氏は、そのCLOの一人だ。新卒入社から長く営業畑で、人事総務部門も経験し、全社的な視座を持つ。2025年4月、事業部制の採用に併せて日本市場管掌が置かれ、その日本SCM部門で国内物流の責任者に就任した。
CLOの選任は法令対応に見えるが、それだけではない。
「物流危機を構造転換の機会と捉えました」と本川氏は力強い。2025年7月、改正物流効率化法に対応するための構造転換に向け、調達部門や生産部門まで巻き込んだ1年限定のプロジェクトに着手。同時にプロジェクト終了後も取り組みの継続性を担保すべく、CLOに関する新たな社内規定を設けた。
構造転換とはいえ、物流品質の確保は譲れない。厳密な温度管理を要するチョコレート製品やクリーム、チーズ等の製品を取引先へ着実に届ける必要があるだけに、細心の注意を払ってきた。
「品質確保は維持する一方、物流の効率化は進める――。乗り越えるべき課題はまさに、ここです」と本川氏。そこで欠かせないのが、正確なデータの把握という。狙いは、自社工場から取引先までの物流の全体像の把握、そして物流効率化に向けた運用の改善や他社との協業にある。
その先に見据えるのは、物流改革を通じた企業価値への貢献だ。法令対応にとどまらず、データ活用によって物流の構造的課題に向き合う。本川氏は、物流から企業活動全体をより良く支える役割をいかに果たそうとしているのか。CLOの挑戦を追う。
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