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働く環境がイノベーションを起こす 「オフィス革命」で始める人的資本経営

働く環境がイノベーションを起こす 
「オフィス革命」で始める人的資本経営

イトーキ

2024/10/8

オフィスデータ分析でエンゲージメントを高める

 効率を重視していた従来のオフィス改修では、瞬間的なオフィス満足度向上こそするものの、持続力はなく、なんとなくの手ごたえしかわからない。

 働き方改革やコロナ禍を経て、人の働き方は以前より流動的になっているため、その流れに対応するには、オフィスの在り方を見直すこと、つまり「オフィス革命」が必要だ。しかしオフィスの新築や移転は莫大な投資を伴う。「投資効果をどうのように測ればいいのかという悩みを抱える経営者が増えている」とイトーキは分析している。

 イトーキは、働き方や働く環境の変化に合わせたアジャイルオフィスの構築、データドリブンで継続的にオフィス環境を改善し従業員エンゲージメントを高めていきたいというニーズに応え、オフィスでの稼働データと健康データ、企業が持つ独自のデータなどと掛け合わせて、オフィスのプロが課題を抽出・分析、具体的な改善施策まで提案する伴走型のコンサルティングサービス「Data Trekking(データトレッキング)」の提供を始めた。

Data Trekking概要

 Data Trekkingではオフィスに関するデータを収集し、働き方と環境の視点で解析。オフィスのプロによるデータ分析で、具体的な施策の提案まで可能だ。

 分析に活用する基本的なオフィスデータは、
1)オフィスの中に設置したビーコンで実際に従業員がどこでどのぐらいの時間仕事をしているのかがわかるスペース稼働データ
2)個人と組織のパフォーマンスやコンディションを測るアンケート調査による組織サーベイデータ
3)どこに何があるのかわかるオフィスのレイアウトデータ
の3つ。

 働き方と働く環境に関するデータを効果的に収集し、企業独自のデータなどを掛け合わせることで人の動きからコンディション状態の傾向などを科学的に分析する。

 コンディションとは、個人が有する能力を何%発揮できているのかを数値化し計測している。具体的には、一緒に働く人との関係性を表す「組織のコンディション」を可視化するソーシャルキャピタルコンディション、休憩が取りにくいことでストレス数値が上がりパフォーマンスが下がっているなどのワークスタイルから分析する心のコンディション、適度な運動、休養できているかなど身体のコンディションを指す。全ての因子を紐づけて、2015年に経済産業省や専門家らがまとめた理論・効果モデルを基礎にしてパフォーマンスを計測している。

パフォーマンスやコンディション向上に寄与したスペースを確認

 オフィスレイアウト上にスペース稼働データや組織サーベイデータをマッシュアップすることで、オフィスの使い方、パフォーマンス、コンディションの関係を「オフィスデータマップ」で視覚的に把握・検証できる。人事評価などお客様独自の指標データを掛け合わせたりすることが可能だ。暗号化した個人のデータを掛け合わせることで見えなかった課題が可視化できるのが大きな特徴だ。

 例えば年代別にどのスペースが多く使われているか、パフォーマンスやコンディションの向上に寄与したスペースや使い方を抽出し、効果のあった施策を確認することができる。

オフィスのレイアウトプランをはじめ、稼働状況、環境状況、オフィスワーカーの活動状況といったオフィスで発生しているデータを幅広く収集し、オフィスデータマップ等で分析結果を可視化
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オフィスのレイアウトプランをはじめ、稼働状況、環境状況、オフィスワーカーの活動状況といったオフィスで発生しているデータを幅広く収集し、オフィスデータマップ等で分析結果を可視化

データを活用したオフィスリニューアル
メニコンの「トラベル型ウェルネスオフィス」

 メニコンではフロアごとにシーンを切り替え移動することが楽しくなるようなオフィスを新築した。クリエイティブな働き方ができるよう使い方を想定したオフィスにより、同社は日経ニューオフィス賞も受賞している。

 この事例では、「思った通りの使われ方がされているのか、改善施策が効果を出しているのか検証したい」という担当者のニーズがあり、稼働と同時にイトーキのData Trekkingを採用した。

 6階の入り口すぐに大きなテーブルを設置したが、これはちょっとした仕事での利用や、すれ違った従業員との交流が生まれることを期待したものだ。本当に使われるのか心配の声もあったそうだが、ここはストレス状態の改善した従業員によく利用されており、特にストレス状態が5ポイント以上改善した人は平均滞在時間が約25%長かったことがわかった。まさに「オフィス革命」の好事例といえそうだ。

2023年4月に竣工したメニコンの新オフィス。「来客会議」、「カフェ」、「集中ワーク」、「対話」、「オンライン」などの活動に合わせて従業員が専用スペースを選べるように設計している
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2023年4月に竣工したメニコンの新オフィス。「来客会議」、「カフェ」、「集中ワーク」、「対話」、「オンライン」などの活動に合わせて従業員が専用スペースを選べるように設計している
佐藤 文昭氏
佐藤 文昭氏
株式会社メニコン 総務部 総務チーム

 7階には複数人で一緒に作業をする場所や、1on1ができるミーティングスペースを設けた。利用内容を分析すると、ストレス状態が新オフィスを使用し始めてから改善した社員によく利用されていた。これらのスペースでのコミュニケーションがストレス改善に寄与していると考えられる。

 逆に集中して仕事ができる8階の席は、一部の利用者が固定化して使用している傾向がデータで明らかになった。

 「席の固定化が起こっているのではないかと漠然と感じていたことがデータ分析により可視化され、社内に問題を周知しやすくなりました。注意喚起を実施したことで席の空き時間が増え、利用者も使いやすくなり、データ分析から改善につなげることができました。運用ルールを見直す際にも課題が明確になるため優先順位をつけやすくなったことが大きなメリットです」(佐藤氏)

 またイトーキ社内の事例でも、オフィスリニューアルの前後に同じ調査をしたところ、心理的安全性、コミュニケーション、休憩などのスコアが大きく向上したという結果が出た。オフィス空間を進化させることは、個人や組織のパフォーマンスを向上させ、イノベーションに繋がるのだ。