Empowerment Report

エンパワーメントレポート

好奇心が仕事の原動力
無人の資材搬送、建設現場で実験

大林組
東日本ロボティクスセンター 施工技術部 建設DX導入課

田下 依莉花さん

2022.07.07 掲載

大林組は「事業に関わるすべての人々を大切にします」という企業理念の下、技術系女性社員の比率を2024年度までに12%に引き上げる目標を掲げている。東日本ロボティクスセンター施工技術部建設DX導入課の田下依莉花さんは入社3年目。建設現場で資材を自動で運ぶロボットの実証実験に取り組んでいる。資材搬送の自動化で省人化、生産性向上を図るプロジェクトで活躍する毎日だ。

改善策を自ら提案、達成感に

 「今度、自動搬送実験にご協力をお願いしたいんですけど」。東京都内の高層ビルの建設が進む。田下さんは同じ現場で働く協力会社の男性作業員に声をかけた。

スイス社製の無人搬送車(AGV)を操作する

 大林組は2020年春から資材を自動搬送する実証実験を各地の建設現場で実施している。スイスのストックリン・ロジスティクス社製の無人搬送車(AGV=Automated Guided Vehicle)と、スイスのブルーボティクス社の自律走行ナビゲーションシステムを組み合わせ、日本の建設現場に合うように改良している。AGVにはフォークリフトのようなフォーク(爪)が付いており、壁のボードやドア、照明器具などをパレットに載せて運ぶ。エレベーターも制御し、資材を搬入した階から目的階まで搬入スケジュールに沿って自動で動く。

 田下さんは2021年夏からプロジェクトに携わり、QRコードによりAGV稼働状況のデータ収集・集計を行っている。どういう資材なら何分で運ぶことができるか、自動搬送で運搬する資材の種類を増やすにはどうすればいいか、どうしたら搬送効率を上げられるか、検証し改良、改善を重ねている。

 「知識もなかったので開発プロジェクトには苦手意識があったんです。でも仕事を重ねるうちに電気配線や通信など知識が増えてきて面白くなりました。実験で失敗することもあるけど、改善方法を考えてうまくいくと、すごい達成感があります」。田下さんは笑顔で話す。

憧れの女性像

 熊本市出身の田下さんは子どものころに見たテレビドラマの影響もあり、世界を舞台に働く女性に憧れていた。女性の少ない分野でパイオニアになりたいという思いがあり、進学先として選んだのは熊本大学工学部機械システム工学科(現在の機械数理工学科)だ。ロボットやプログラミングなどの研究に没頭した。

飛行機が大好きで大学では機械を専攻した

 同科の卒業生の多くは製造業に就職するが、就職活動をしてもしっくり来ない。そんなとき、別の総合建設会社(ゼネコン)を就職先に選んだ1年上の先輩から助言され、「機械の知識を生かせそうだ」と大林組を選んだ。2016年の熊本地震で被災した熊本城の復興工事に大林組が携わっていたことも、何かの縁と身近に感じた理由の一つだという。

 2020年4月に入社。同年8月から建築機械課でタワークレーンの設置や組み立て解体の計画立案を手掛けた。高層ビルを建てるうえで欠かせないタワークレーンの荷重計算など設計作業を「上司が任せてくれ、すごくやりがいを感じました」と話す。

 所属する東日本ロボティクスセンター(埼玉県川越市)の技術系女性社員は先輩が2人、後輩が2人いる。仕事の相談や雑談がしやすい、和気あいあいとした職場環境だという。

ヒップホップダンスで気分転換

温泉や観光地への旅行でリフレッシュする

 気分転換は週1回のヒップホップダンスだ。新型コロナウイルスの流行で入社1年目は外出を避けてきた。「何かスポーツをしたい。体を動かしたい」と考えてインターネットで見つけた。約1年前からダンススクールに通い、音楽に合わせて1時間半ほど踊る。自宅でもスマートフォンの動画を見ながら練習する。「いい運動になります。体もだいぶ引き締まってきました」。コロナの流行が下火になった2022年春からは、月1回の旅行も楽しみだ。宮城県のほか、首都圏近郊の温泉や観光地などに足を運ぶ。

 今後の仕事については「設計や開発以外にも知らないことがまだまだある。土木のプロジェクトにも携わりたいし、将来は海外でも働いてみたい」と語る。知らないことを知りたい。好奇心が田下さんの仕事の原動力だ。

PROFILE

田下 依莉花(たのしも・えりか)
2020年熊本大学工学部機械システム工学科卒、大林組入社。建築機械課でタワークレーンの計画立案、2021年から建設DX導入課で資材の自動搬送車(AGV)の実証実験に取り組んでいる。

TOPに戻る